AcerがTimeLineシリーズにCLUVのCPUを採用した新モデルを発表するようです。とは言え、元々省電力CPUを採用するモデルだったのでマイナーチェンジと言っても良いでしょう。
■エイサー、CULVノートPC「Timeline」2機種(価格.com 2009/11/19)
Windows7対応モデルが一段落して、ようやく個別モデルのニュース記事が書けるところまでリリースペースが落ちてきましたが、どうやら今のキーワードは「CLUV」のようです。これ、何なのかというと今年頭ぐらいにインテル社が提唱した「Atomプロセッサよりずっと性能が良くて、省エネルギー性はそれに迫るものがあるよ」というCPUに付けた総称です。とはいえ、提唱元のインテル社は既にこの呼称は使用していないようですが、着実に認知度は上がっているという面白いキーワードです。
しかし。
日本製ノートパソコンの長所は、軽く、長持ちバッテリーで高性能がキーワードでした。ネットブック攻勢から始まった海外製のパソコン進出は、重く、そこそこ使えるバッテリーで、そこそこの性能でした。この性能部分がCLUVによって埋められ(日本製ノートパソコンもこれを採用してコストダウン)、その恩恵でバッテリーの持続時間もアップさせています。軽さだけはまだまだ国産のノートパソコンには圧倒的にかないませんが、価格差が2倍程度あることを考えるとユーザーの視線は厳しいかもしれません。
軽量化については汎用部品を諦めたり、素材のこだわりで調達価格が上がるなどコストダウンが難しいため、ワールドワイドに使いまわす製品を作る海外勢にはやや難しいかもしれません。しかし骨格の共通化をはかり、そこの素材を日本仕様のものだけ変更したり、外装部品の交換やSSDの積極的な採用などを積み重ねればかなりの軽量化が果たせるかもしれません。しかも、安価に。
東芝のDynabookはワールドワイドに販売されており価格的にも対抗できるかもしれませんが、B5モバイルノートの分野で攻め込まれるとそう言っていられなくなる可能性が有ります。
13~15インチで展開しているTimeLineシリーズですが、今後軽量化を行い、12インチクラスに切り込んできたらなんて考えると、国産メーカーは厳しいだろうなと思います。
とは言え、サポート体制などでまだまだ海外勢は(特に初心者に)厳しいので、いきなりシェアを奪われることはないと思います。それでも積み重ねでじりじりと切り崩され、気が付いたら国産メーカーが1社も残っていないという事態は避けて欲しいものです。
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