2010-02-23

レビュー:DELL VOSTRO 13 その1(good)

昨年12月のブロガーMTで触れてきたDELL VOSTRO 13が薄い箱に包まれてやっと到着したので、ボチボチとレビューを書いておきます。今日は第一弾。


最初に書いておきますが、これ、ビジネスパソコンとして凄く優秀です。企業のPC調達部門にいたことがあるのでわかるのですが、流石DELLという工夫に溢れていることと、故障時の対応についての考え方がスピードを求める時代にマッチしています。

というわけで、本題に入ります。

まず、この製品について軽くおさらいしておきます。中小のビジネス、もう少し具体的に言うとベンチャーを対象としたこの商品、コストと性能の両立を目指した製品となっています。しかも異常に薄いつや消しのアルミ製ボディはDELLらしからぬ(失礼)スタイリッシュなもので、個人的にはVAIOとかAppleなんてロゴが入っていても良いんじゃ無いかと思うほどです(持ち上げ過ぎ?)


主な諸元はこんな感じです。

■■■■■■■■■■■
サイズ 幅330×奥行230×厚さ16.5~19.7mm
重量   1.59Kg

CPU   Core 2 Solo SU3500
    またはCeleron 743の超低電圧プロセッサ
画面  13.3インチ1366 x 768
    アンチグレアWLEDバックライトディスプレイ
チップセット
    GS45
画像処理
    GS45内蔵(GMA 4500MHD。ブルーレイ再生にも対応してるはず)
メモリ 2GB DDR3 (Max2G)
HDD   160GB - 320GB
LAN関係 有線:ギガビットイーサネット
    無線:802.11n およびBluetooth v2.1
拡張スロット
    USB 2.0 × 1
    USB 2.0/eSATAポート × 1
    ExpressCard /34スロット
    5 in 1 カードスロット
その他
    130万画素カメラ
    標準バッテリー最大駆動時間→4:30
■■■■■■■■■■■

最近のULV(超低電圧)CPUパソコンに準じた一通りのスペックを備えています。特筆すべき点はExpressCard /34スロットやeSATAポートで拡張性にも配慮済、という辺りでしょうか。メモリはMaxで2Gbyteですし、今時シングルコア、バッテリー駆動時間も並、薄さは凄いけど重量は13.3インチ液晶のULVパソコンと変わらないので、持ち運び性にどこまで貢献できているかは微妙なところです。

しかし1週間ほど使い続けた結果「これは使いやすく、真面目に作ってる」という結論に至りました。正確には、最初に持ち上げた瞬間に感じたのですが、細かな点で使い勝手への配慮が分かります。どんなにスタイリッシュでも、DELLらしい配慮は変わらないのだと感心してみたり。

まず最初に気づいたのは、本体側面の造形。下に向かって大きくえぐり込まれているので、指がすっと隙間に入り持ち上げやすくなっています。折りたたみ式の携帯電話等でも、画面を開く部分に隙間があるか無いかは使い勝手に差がつくポイントですが、持ち運びや移動を多用するノートパソコンでここまで配慮された製品は初めてです。これはぜひ実物で試して欲しいポイントです。


また、ノングレア液晶も見栄えは光沢のあるグレア液晶に劣るように見えますが、オフィスや外出先の屋外で使う際には必須のアイテムです。流石ビジネスモデルを多く作ってきたDELLだけあって、このような押さえて欲しいポイントはしっかり押さえてあります。このあたりはコンシューマ寄りに行かざるを得ない同業他社では真似できないポイントでしょう。ちなみに液晶テレビで光沢のある画面なんて無いのですが、何故パソコンではほとんどの方が光沢のある見づらい液晶を選ぶのか私にはとても疑問です。

また、キーボードのタッチも良いです。ポクポクとソフトな打鍵音は、会議中の文字入力や夜間の自宅での作業でそのありがたみを実感します。私の所有するX61も打鍵音は静かなほうですが、このVOSTRO 13は遙か上を行きます。タッチパッドも面積が広く取られているので操作しやすく、凹んでいるので誤動作もしにくくなっています。この凹んでいるタッチパッドはキー入力しながら使うと使いにくく感じる事が多いのですが、これはその加減がなかなか絶妙で操作が苦になりません。これは本体が薄いため手が浮かせやすいので、指が立てやすい事が原因だと思います。


普段使っているX61と比べ全てにおいてサイズに余裕があるためか、窮屈に感じる操作もありません。13.3インチという画面サイズとそれに合わせたフルサイズキーボード、それに広いタッチパッドは絶妙なトリオです。

本体手前がエッジが効いたデザインのため、手を置いたときに気になるかなぁと考えていたのですが、本体が極薄なのでこれも感じず。嫁さんにも触ってもらいましたが「これは使いやすいわ」と言ってました。

と、ここまで良い部分を見てきましたが、次回エントリで気になる点を挙げてみます。

【関連リンク】
 ■DELL「仕事に強いモバイルPCについて考える」に参加してきました。
 ■レビュー:DELL VOSTRO 13 その2(bad)

2010-02-16

レビュー:lenovo ThinkPad X100e

AMN様の好意により、2週間ほどお借りしていたlenovo ThinkPad X100e。
この新世代ThinkPadと言えるマシンのレビューを残しておきます。

・・・とはいえ、先人達がこれでもか!これでもか!と詳細な情報をアップしていて、闘う前から戦意喪失していた自分がいたりします。そこでここでは車輪の再発明ではなく、少ない小遣いでパソコンやデジタルアイテムを購入するためにやりくりしている庶民視点で「コストパフォーマンス」ってやつを見ていこうと思います。

■機動性

実はこのパソコン、100均(というかダイソー)で打ってるスポンジケースに(無理矢理)ピッタリ入ります。
証拠写真が↓これ。


チャックを切り裂き、間口をギリギリまで広げないといけないのですが、ひっかき傷から守るだけならこれで十分。というか、本体の堅牢性に自信のあるThinkPadでなければこんな事はできません。実はこれ、X61でも実際にやっていた運搬方法です。いくら堅牢性に自信があると言っても、ひっかき傷はどうしてもつくもの。かなり奮発して購入したX61なので、それを避けるためにこんなことをしてました。

と、同じ条件で持ち運びしていたX100e、全く問題ありませんでした(当たり前だ)。ノートパソコンでありがちな持ち運び時に気を使うことなく、安心して屋外でガンガン使えます。購入された方は高価なケース買う前にぜひお試しを。

あと、ビックリだったのがバッテリーのロングライフ。

ThinkPadといえば燃費が悪い(失礼!)という印象でしたが、この大容量バッテリーなら無線をガンガン使っていても4時間ぐらい持ちました。通信って電力食いですから、この悪条件でこれだけ持てば合格です。


1.5kgと重いのはご愛敬ですが、普通のネットブックよりバッテリーが持つので、ACアダプタを持たなければ総重量はどっこいどっこい。かさばるACアダプタ持たなくても済むってのは大きいです。

■性能

同クロックのAtomプロセッサのネットブックと比較して、明らかに速い。これはCPUだけでなく、グラフィック周りの処理速度やデータの転送速度が速いことが差となって現れていると考えられます。ちなみに性能のスコアはこんな感じ。Atomのネットブックじゃ出ない数値です。



CPUがマルチコアの時代になった時、これからは動作周波数が全てではないと言ったIntel社。今度はAMD社がそれを証明してくれています。今の制約だらけのIntelのプラットフォームじゃこれは真似できないでしょう。と、影ながらIntel社の奮起を促してみたり。


■デザイン

今回借りた機種はThinkPadの象徴の黒。高級感こそ無いですが、従来のThinkPadとして持ち運べます。そんなわけで、より一般ウケを狙った赤とか白については、そんなわけで持ち運んだ時の印象は分かりませんでした。

機能的なデザインについては、天板の強度を高めるために外側に3mm膨らませているとか、周囲の穴を極力減らして強度を高めるとか、今までのエントリで言及してきた内容を感じる仕上がりでした。

あと、このサイズでタッチパッドを採用したことについては時代の流れでしょう。ボタンが本体の端に付いてるので押しやすいのですが、誤って押してしまう可能性も。良し悪し、てところです。私はトラックポイントオンリーで使っていたのですが、それだと指が引っかかってるのが気になりました。面一のほうが良かったかも。

■キーボード、トラックポイント、画面

キーボードは散々いろんな方がレビューで触れられていますし、私も書いたので簡単に。

凄く静かです。カシャカシャ音が全くしません。
おそらく使い込むと、あのX21のようなまろやかな「ポクポク」というソフトな入力タッチが楽しめます。
くそ、X61はここだけは大きく負けてます。このキーボードだけ、ちょうだい!!!

トラックポイントは背が低くなってる関係で、ほとんど邪魔になりません。画面保護のため下げたと言うことですが、怪我の功名と言うべきか、「アレが引っかかるんだよ」という方にも試して欲しいと思います。

後は画面。綺麗です。
ただちょっと明るすぎるかな?とは感じます。設定次第でなんとかなるかな?

■統括

で、私が買うかどうかと言えば、X61が壊れたら買います。
残念ながらカネのかけ方が違うので、X61を捨ててまで購入には踏み切れませんでした。


しかし現状のラインアップでブッチギリに安く、それでいてThinkPadクオリティ。なおかつサイズは最小の部類に入りますから、ノートがメインでない、もしくはネットブックで十分だというライトユーザーならお勧めの逸品です。

今回は分解の自粛が条件だったため画像は載せませんが、HDDやメモリへのアクセスも容易に出来るため、その辺のネットブックと違い長く使えるのもポイント。こういう細かいところもThinkPadクオリティ。

安かろう、はあちこちに感じます。

しかしアイデアと情熱は、高級ThinkPadに負けていない。

従来のThinkPadがレクサスなら、新世代ThinkPadは庶民に優しいトヨタ車。手間や材料は違えど、その設計や製造に手抜きは無し(今、リコールで熱いので例えに使いにくいのですが・・・)

そんなX100eが生産が追いついていないというのはとても納得です。

というわけで、出張で持ち運ぶ方。ネットブック買うならこっちをお勧めです。ぜひThinkPadクオリティを感じてあげてください。

2010-02-15

iPadが欲しい理由と、売れないと思う理由

iPad購入するかどうかで揺れる日々が続いていますが、実は予算的な問題はクリアできそうなので購入は出来ない、ということはなくなりました。しかし、どうしても引っかかる事があって購入をするかどうか悩んでいます。それはこのガジェットが「売れるか?」ということです。


iPodtouchやiPhoneの普及、タッチパネルを備えたスマートフォンの増加など、タッチパネル操作のコンピュータは一昔前に比べずいぶん身近になりつつあります。

しかしパソコンに限って言えば、タッチパネルはマウスとキーボードという最強タッグの大きな壁に阻まれ、なかなか普及が出来ないでいます。マイクロソフトはもう10年近くこのタッチパネル普及に取り組んでいましたし、既に様々な機器がこの世に送り込まれ、そして消え去っています。

しかしマイクロソフトの最新のOSであるWindows7でもマルチタッチが標準機能として採用されるなど、いまだタッチパネルの夢は潰えていません。指先やペンで操作ができるタッチパネルのコンピュータはキーボードやマウスに比べ圧倒的に敷居が低く、コンピュータが道具として進化する上で外せないキーワードだからでしょう。

しかし30年近くにもわたって使い続けられてきたマウスとキーボードは、使いやすさではなく、それを習得してきた方達の「経験」という武器を持っています。どんなに敷居が高くても、その使い方を教えてくれる先人達がいれば、敷居の高さを超えることができます。

また、マウスとキーボードでの操作に最適化されたパソコンでは、タッチパネルだけでは操作が完結できない場面が多々あります。不自由な入力装置を補うために発展してきた各種機能が、先進的なタッチパネルでの操作を邪魔してしまうジレンマ。パソコンはマウスとキーボードという入力装置があってはじめて完成するように作られ、またそうであるべきと認識されてしまっているのです。

いくら直感的な操作が可能でも、それを補助する入力装置がなければ使えないのでは意味がありません。

パソコン以外でも同じ事が言えます。昨年12月に手に入れたDOCOMO N-02Bは優れたタッチパネル操作を備えていましたが、あくまでもテンキーを補助するためのものであり、最終的にはテンキーの操作が必要になるように設計されているため、結局タッチパネルを全く使わなくなってしまいました。

では、iPadはどうでしょうか。

iPodtouchやiPhoneの上位機種と位置づけられているため、洗練された操作体系を踏襲していると思われます。外付けのキーボードもオプションで用意されていますが、基本的にはタッチパネルでの操作で全てが完結するため、上記に挙げた例のように別の入力装置が必要となることもありません。

またMacbookなどの「パソコン」と比べ、簡単に起動ができてインターネットの閲覧やデジタルカメラのデータ読込なども可能なため、より気軽に使うことが出来ます。いざとなればタッチパネル内に表示されるソフトウェアキーボードでパソコンのように使うことも可能です。

最後のキーワードが「重量」です。今までのタッチパネルを持つノートパソコン達は使い勝手もさることながら、重量が1キロ前後とタッチパネルの最大の売りである気軽さを体感するためにはあまりにも重すぎました。

それに対して、iPadはWi-Fiモデルで680g、Wi-Fi+3Gモデルで730gとかなりのダイエットに成功しています。これに大きく縁取られた「手で持つエリア」を用意し、かつ厚みを約1.3cmと抑えることで飛躍的に持ちやすくすることに成功しているでしょう。

しかし、これらはあくまでも今までのタッチパネルを持つパソコンと比較してのことです。

680gを片手で持ち続けるなんて、非力な子供や女性では10分もしないうちに根を上げるでしょう。発表会のプレゼンでは組んだ足の上に載せて使っていましたが、子供がテーブルの上に絵本を置いて読むように、どこかに置いて使うというのが現実的な使い方になるでしょう。既に成功しているiPodtouchは115g、iPhoneでも135gと非常に軽いため、女性でも片手で簡単に持て、気軽に使うことが出来ます。これがiPadとiPhone、iPodtouchと大きく違う点です。

しかし2本指でピンチすれば拡大、縮小が思いのままですから、視力に難がある方でも本を顔に近づけたり、眼鏡や虫眼鏡などの天眼鏡が必要無いため、離してみていても不都合はないはずです。むしろ発色の良いIPS液晶を間近で見続けるよりも、適度な距離で見ていた方が目にも優しいでしょう。特に年配の方がインターネットを楽しむには、パソコンよりiPadのほうがよほど楽に閲覧が出来ます。

どこかに乗せたり、寝っ転がって持ち上げたり、立てかけておいたり。今までのパソコンとは決定的に違う気軽さで使うことを前提として作られたコンピュータ、それがiPadではないでしょうか。



このように様々な問題をクリアできるように設計されたiPadですが、唯一、かつ最も大きな問題は新しい操作体系に人々が慣れるかどうか。便利なことは分かっていても、身体に染みついたマウスやキーボードの呪縛から逃れられるかはわかりません。また、シングルタスクや10インチ未満の液晶などカタログスペックの低さと、iPhoneなどのソフト資産があるとはいえ、専用のソフトは未知数であることなど、全く新しいジャンルの機器であるが故の課題も抱えています。

iPodTouchやiPhoneで新しい操作体系の感動を知ったユーザーをどこまで取り込んで、その人達を伝道師としてどこまで良さを伝えてもらえるか。

販売後のアップル社のソフトウェアの充実やコミュニティの形成などのフォローが、最終的なiPadの成功を左右すると思います。

・・・やっぱり買ってつかってみないとダメだな、こりゃ。

【関連エントリ】
 ■Apple iPadまとめエントリ

 ■も、もう一声!ASUS EeePC T91MT

B5リアルモバイル+ThinkPadキーボード+トラックポイントという唯一無二の組みあわせ

私は公私ともにThinkPad、というかThinkPadのキーボードを愛用している。職場ではlenovoトラックポイントキーボード、自宅のテレビ録画用デスクトップパソコンではLenovo ThinkPlus USBトラベルキーボード ウルトラナビ付を、そしてメインマシンとしてThinkPad X61というように。目の前には常に黒いあのキーボードがある。

その中でもメインマシンのThinkPad X61は欲しくて欲しくて、やっと手に入れた一台でもある。仕事道具として、遊び道具として、そして自らを高める道具として。今やこのX61という「道具」抜きに私の生活は語れない。


今回はThinkPad X61の「道具」としての価値の源である、キーボードとトラックポイントについて語ってみようと思う。

X61は現行のX200となり、4:3画面を採用しているために横方向に窮屈なレイアウトとなっている。しかし安易にファンクションキーとの組み合わせでキーを削減することなく、サイズを削るキーは大胆に削り、重要なキーは可能な限り大きくと、メリハリのついたレイアウトを採用することでフルキーボードの使い勝手を実現している。これは使えば使うほどその知恵とアイデアが理解できてくる、味のあるものに仕上がっている。


たとえば、X6系から追加されたWindowsキー。このキーが追加されたことにより、レイアウトはさらに困難になったと思われるが、「これでもかっ!」と小型化されたWindowsキーに開発者の強いメッセージを感じてしまう。ホームポジションから下に指を滑らせると小指の位置に小指一本分のWindowsキー。これはデザインと使いやすさを両立する上で、使い方さえわかれば問題ないという意図ではないだろうか。まさしく「贅肉をそぎ落とした」キーと言えるだろう。


また、2.5mmとノートPCとしては深いキーストロークと、柔らかさと堅さのブレンドが絶妙な打鍵感を持つ。その打鍵感が産み出す「ポクポク」というソフトな入力音は、深夜webに掲載する記事やブログを作成する私にとって打鍵の心地よさと静かさを両立する必須のアイテムとなる。このX61には代々受け継がれたキーボード入力に対するこだわりがサイズの制約に打ち勝っているのではないだろうか。

B5ノートというリアルモバイルサイズの制約の中で、いかにユーザーにストレスを与えることなくフルキーボードの快適さを提供するか。そのために積み重ねられた知恵と努力が、文字を打てば打つほど見えてくる。

それをアシストする絶妙な「脇役」がトラックポイントだ。はじめて触れた560Xでは面食らったこのポインティングデバイスは、ドラフトを手なずけることではじめて魅力を増してくる。速度を変え、意のままに動くマウスカーソルは置いた手を動かさずに済むユーザービリティと併せ「怠け者」である私に代え難いものとなっている。X61ではタッチパッドもないため親指の移動で引っかかりを感じることもない。


ThinkPad X61はこの2つの入力デバイスを持つ事で、私の思考を巡らすのに最適なツールになっている。

もちろん弱点もある。このX61は小型ボディに標準電圧のCPUを詰め込んだことにより、熱対策に非常に苦労していが、それは打鍵にもパームレストの熱として影響している。マイナーチェンジ前のX60と比べ、側面のスリットを追加したX61は良くなったようだが、それでも長時間負荷をかける作業をしているとジットリと手が汗ばんでしまう。それすら考え抜かれたキーレイアウトと快適なキータッチが手に入るなら(私は)我慢できてしまう。

他社にも、ThinkPadに負けないほどの魅力を持つノートパソコンはある。たとえば優れたバッテリー持続時間を持つもの、究極の小型化を追求したもの、薄さの限界にチャレンジしたもの、デスクトップに負けない性能を持つもの。

しかしキーボードとポインティングデバイスで選ばれるパソコンは、他にはないのではないだろうか。この世に生を受けてから、1度も浮気することなく独自の操作性を追求したモデルで、かつこれだけの長寿命シリーズは私の知る限りThinkPadを除いて他にはない。

かつてIBM製だったThinkPadは、非常に高価でなかなか私用マシンとするのが難しかった。しかしlenovo製となってからは、コストダウンと高品質を両立させ、より道具としての価値を磨いているように思える。

その道具としての魅力を最も具現化しているのがこのキーボードとトラックポイントであり、これがある限りThinkPadは道具としての魅力を増し続けていくのだろう。



※今回はThinkPad レビュー・コンテスト応募用エントリのため、いつもと毛色が違います。ご容赦を。

2010-02-03

やっと無線化されました Wacom Intuos4 Wireless

もう、かなり待ちくたびれていました。

ワコム Intuos4 タブレットにBluetoothワイヤレスモデル (engadget japanese)


長らくIntious2という古い古いモデルを使い続けていたのですが、その理由はいつまで経っても無線化されなかったから。常にケーブルで満たされている私のパソコン環境で、これ以上ケーブルを増やしたくないためマウスやキーボード(これはトラックポイントキーボードで逆行してしまいましたが・・・)、LANの無線化を進めていました。で、このWACOMのIntiousはとても立派な長いUSBケーブルが附属していて、凄く邪魔だったんですよね。

というわけで、物欲を絶賛刺激中なんですがいかんせん時期が悪い。
何せデスクトップをリプレース中&12月の大散財、そして3月に控えるiPadとの兼ね合いなど、とても家族を説得できそうにありません。

と言うわけでしばらく指を加えて見ているだけになりそうです。とほほ。

2010-02-02

も、もう一声!ASUS EeePC T91MT

iPadという大きな壁に立ち向かうには、まだちょっと力不足のWindows陣営のような気がします。というわけで、ネットブックでのタブレットPC本命が登場のニュースです。

ついにマルチタッチ対応の軽量タブレット「EeePC T91MT」が発売、SSD搭載でワンセグにも対応(GIGAZINE)

楽しく!スマートに!マルチタッチ対応のEee PC Touchシリーズ「Eee PC T91MT」を発表(ASUS ニュースリリース)


コンセプトは素晴らしく「薄く、軽く、安く、そして使える」タブレットPCです。

Windows 7 Home Premiumを使用したことによるマルチタッチへの対応。
台湾製ながら、ワンセグチューナーを搭載するというローカライズ。
マグネット式で収納される付属のスタイラスペンでも指でも操作が可能。
※iPadはスタイラスはNG
タッチパネル使用時にも、バッテリー込みの重量が960gと軽く、幅225mm×奥行き164mm×高さ25.2mm(最厚部28.4mm)と片手で持つのに邪魔にならないサイズです。
最大解像度1,024×768ドット(WSVGA)のマルチタッチ対応の8.9型ワイド回転式タッチスクリーンを備え、デジタルフォトフレームとしてもいけるマルチぶり。
保存領域こそ32GBのSSDと少なめですが、2台目としては十分でしょうし、SSDによる高速化と静音性は差し引きでおつりが来ます。メモリも2GBと必要十分。


これで希望小売価格が59,800円と、VAIO type Pの値段付けが馬鹿らしくなるぐらいの激安商品です。本当に凄い。しかし、じゃあ買うかと言われると、「もうちょっと!」と言いたくなるスペックが水を差します。

その最大の元凶がCPU。Intel社のAtom Z520と私の所有するVAIO type Pと全く同じCPUを採用しており、こいつの速度は嫌と言うほど分かっています。これとWindows 7の組みあわせが快適な操作感を生むかと言えば、実物を触ってみないと正直疑問です。

また、バッテリー駆動時間が公称で約5.1時間。実働で2時間半ぐらいでしょうか。私の所有するX61が大容量バッテリー使用時で今これぐらいですが、持ち運んで使うにはちょっと厳しいレベルです。

もう一歩、後一歩が出ればWindows陣営のiPadの対抗馬としてお勧めできる商品です。
というわけで使って見て試したいなぁ、なんて思う今日このごろです。

ちなみに色はホワイトとブラックの2種類。1月30日(土)から販売は開始されているようです。興味のある方はぜひぜひ。

【関連エントリ】
■SONY VAIO typeP まとめエントリ
■AppleのiPadをいろいろなものと比較してみました
■SONY VAIO X まとめ+リンク集エントリ
■8時間駆動PC「TimeLineシリーズ」にCLUV採用の新モデル追加

【関連リンク】
■ASUS Eee PC T91MT(メーカーHP)
■ASUS Eee PC T91MT (ホワイト) クチコミ(価格.com)

iPadは、理想のコンピュータ(のひとつ)のような気がする

昨日寝ている時、ふとiPadが欲しいと考えてしまいました。
そのまま悶々と一夜を過ごし、夜が明ける前にもそもそ起きだして書いたのが初稿。
書いたモノを読み返して「こりゃダメだ」と書き直しているのが今みなさんが読まれている文章です。すいません。


このiPadが欲しいという気持ち、理由が分からず寝られなかったのですが、文章にしてみて、歩いて電車に揺られて、缶コーヒーを飲んでいたらなんとなく理由が見えてきました。もちろん注文可能になったら通知をもらえるように申し込んであります。

欲しくなった理由ですが、いくつか思いついた中で最も重要だったものを挙げておきます。

・手軽にストレス無く使える

一昨年あたりからネットブックやネットトップ、VAIO type P、そしてdocomoの冬携帯であるN-02Bと「モッサリと動く」のがデフォルトの製品にばかり手を出してきたせいか、「待つ」という行為に慣れてきた自分がいます。そんな中、昨年末に手を出したiPod touchはそれらと比べ比較にならないほど快適で、使うのが楽しい端末でした。その延長上にあるiPadもきっと快適なんだろうなぁと思います。

初代Eee PCを使ったときの「これからのパソコンが変わる!」という衝撃は、筐体の小ささや価格ももちろんでしたが、SSDによる起動や読み込みの早さによる快適さは今思えば外せないポイントだったような気がします。快適に使えないというのはそれだけで敬遠される要素ですから。非常に洗練されたOSだったWindows Vistaが売れなかったのを見ればよく分かります。

そしてiPadは、iPodtouchとEeePCという2つの性質を兼ね備え、進化させたような製品だと思うのです。

iPod touchの操作性を引き継ぎつつ大型化された画面。専用設計のCPUとOS、明るくクリアなIPS液晶。
3G通信も可能なワイヤレス性。しかもdocomoが珍しく興味を示しています。
Mac譲りの外付けキーボードが使え、デバイスが必要とはいえiPod touchと違いSDカードやUSB接続が可能。
ゼロスピンドルの記憶装置は専用設計の部品と共に快適な読込、書き出しを約束してくれるでしょう。

そして何よりも、「Mac(パソコン)」と「iPhone(iPod touch)」の中間にあるもの、というコンセプトがEee PCというネットブックで見た理想のコンピュータの世界に近いんですよね。

OSがiPod touchなどのカスタマイズとはいえ専用品って事で初期トラブルも多いような気がしますが、価格さえ頑張ってくれたら迷ってしまうと思います。というか欲しいです。下記のエントリで小飼弾さんのブログにリンクしてますが、数日経ってやっとおっしゃっていたことが分かってきたような気がします。

本体の大きさやシングルタスクを問題にされている方もいると思いますが、その辺は立ち位置と技術の問題をクリアする上で絶妙なバランスだと思います。この辺は詳しいことはまた書きます。

たぶんそんなに売れないだろうけど(すいません)、コンピュータをより身近にするための道具。そんな気がします。最近「買う」と言って心変わりすることが多いけど、iPadはどうだろう、と実は楽しみだったりします。

【関連エントリ】
 ■AppleのiPadをいろいろなものと比較してみました

 ■iPadのアクセサリー、iPodtouchでも使えないですかね?

→まとめエントリを作成しました。こちら。