このレビューは家電・PC・携帯・ゲームレビューサイト「みんぽす」から招待されたセミナーに参加して掲載しています。(詳細は末尾で)
前回のエントリVAIO X 体験会に行ってきました。の続きです。今回はその場で説明を受けた技術についてですが、参加したブロガーの皆様やVAIO Xのページですでに詳しく取り上げられていますので、ここでは相変わらず自分目線で気になった事を中心に取り上げていきます。
ちなみに前回、すっかり伝え忘れていたことがありました。
「何を書いても自由」
いくら集まった人間がどんな人間か、それなりに把握しているとはいえこんな風に言い切ってしまわれると天の邪鬼がムラムラしてもおかしくないのではないのでしょうか。と思ったら
「指摘がいただけるのなら、どんどんして欲しい」
「我々はよりよい製品を作りたい」
という思いがあっての言葉のようでした。
悪い部分があるなら、指摘をくれ。
そしたら今度はもっと良い物作ってみせるぜ。
SONYという会社は昔から商品についてとかく言われる会社ですが、私から見れば夢を見ることができる製品を作るから、そのギャップが発生したときに色々言われてしまうように思います。なので、このエントリではVAIO Xについて、特に性能面で正確に伝わるように書いていきます。
他の参加者や、VAIO Xの開発者インタビューページで一通りの事について触れられていますのでここでは勘違いしやすいポイントと私が個人的にすげぇと思ったことを書いておきます。あと、写真がピンぼけが多く見づらいのはカメラが高感度に弱いからと言うことにして下さい。もうNikon D50ではこういう暗いシーンは厳しいなぁ。
■縁のアール処理「リジッドアークデザイン」のメリット
森澤様がものすんごく力説されていた部分です。このデザインをこの薄さで実現するためにスケジュールまで調整させたというこのデザインは、工業デザイナーとしてチャレンジングなトライが結実すると喜びもひとしおだと思います。
その説明を聞いて納得だったのですが、この弧を描いたくぼみがPCの側面を囲うリジッドアークデザインは多くのメリットが与えられるとても優れたデザインです。
まず、13.9mmという薄いボディをより薄く見せるための演出。光が面として反射するのではなく、直線として反射するため、シャープな印象を与え薄いボディをより薄く演出することが出来ます。なるほど。
また、アールを描いた形状は捻れや剛性を高めるのにも効果的です。これでボディ全周をぐるりと取り込んでいますので、外からの圧力に強く、堅牢性が確保できています。新素材の複合カーボンと相まって、従来のモデルと比較して特に捻れ剛性が高くなっているように感じられました。
また、肉を内側にそぎ落とされているために開きやすいというメリットも産まれています。
「薄く見せたい」というデザイナーの欲求がそのまま実用的な効果も発揮する。こういう正の連鎖反応が産まれる仕事って気持ちいいもんです。
■冷却ファン
typePではファンレスだったのに!とVAIOファンを失望させる可能性のあるポイントです。
今回はボディの厚さが足りず、自然冷却ではクロックダウンが避けられないという判断からファンの搭載とのこと。最も省電力のZ系Atomでそう言われてしまったら、仕方がないと私は思います。それよりもファンが付いたことにより、放熱能力が高くなってtypePよりも安定すると個人的には踏んだのですがどうでしょう?<既に初期設定時にtypePの熱暴走を体験した身としては、ファンレスよりも安定性を望んだりします。
ただし薄いボディに入れるため、写真を見ておわかりのように従来の汎用品では間に合わず専用品の作成となったと言うことでした(左がX用、右が従来品)。
■足
細かなポイントですが、足がついています。ただでさえ熱を持ちやすいノートパソコン、チルト機構がついていればデスクと本体との間により大きな空間が産まれ、放熱に有利になります。もちろん前傾姿勢になることで入力もしやすくなります。ちょっとした事だけど、流石と思わせる点です。
■LAN
写真の状況、わかるでしょうか。これ、開閉式のLAN口を取ってもらっています(撮影協力:星様)。実はこのLAN口、強い力がかかるとこのように「パカッ」と外れ、衝撃を逃がす仕組みになっています。最初、この開閉式のLAN口を見たとき「強度は大丈夫かな?」と思ったのですが、このアイデアは素晴らしい。万が一壊れても、部品交換で補修ができるってことです。コネクタはとかく破損しがちな部品ですが、このような細かなアイデアが製品の寿命を延ばしてくれたりします。
■大容量バッテリー
外すと異形の大容量バッテリー。バッテリー取り付け位置がパームレスト部分にあるため苦肉の策でもあるのでしょうけれども、実際にはめてみるとフィットします。
そして、この本体との隙間がバッテリーを熱から守ってくれます。先ほどの足といい、この大容量バッテリーといい、ノートパソコンのアキレス腱でもある熱を逃がすためのアイデアは流石です。
接続した状態で手に取ってみても、しっくり来るのが不思議。底面を覆うようにバッテリーが広がったおかげで、重量バランスも悪くありません。片手で持つシーンもあるモバイルノートパソコンは、重量バランスが良くないと持ちにくくて困るときがあります。ええ、ThinkPadでは苦労してますので。
ちなみにこの形状、「レーシングカーのディフューザー」をイメージされていると説明していましたが、そんなこと言われても自動車レース見ていない人にはピンとこないとおもうので写真を用意しました。
これ。
画像はF1をひっくり返した物です。クルマの下の方がこのように上に向かって持ち上げられています、この持ち上げられた部分をディフューザーと呼ばれています。これが走っている姿になると、次の写真のようになります。
実際にはこのように見えます。確かに大容量バッテリーのイメージです。
「こんなもん作っちまいやがって」と苦笑している?岩井様。元々考えていなかった大容量バッテリーが林様から提案されたときにはびっくりしたそうです。出来映えもびっくりだったと思いますが、みなさん気に入っているようです。
最後に、林様がCPUにZ系Atomを選んだ際のエピソードで語っていたことで締めくくりたいと思います。
「Intelという会社はCPUに色々余計な物を付けるが、時折贅肉を削ぎ落としたCPUを作ってくる。前回はモバイルPentiumだったが、今度はそれがAtomだった」
なぜAtomなんて選んだのかと感じる方にこそ、この林様の言葉を送りたいと思います。モバイルパソコンはそもそもサイズに制約があり、快適に使うために何かが犠牲になってしまいます。長年モバイルパソコンを作り続けてきた林様が何を割り切って、どんなパソコンを作ってきたのか、諸元や備わっている機能を見ることで感じ取れるのではないかと思います。
以上、長々と乱文を書き連ねてしまいましたがこのあたりで終わりにしたいと思います。
→当ブログ内のVAIO X関連エントリはこちらのまとめエントリでどうぞ。
【関連エントリ】
SONY VAIO typeP まとめエントリ
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