2009-09-11

工人舎「PM」とSHARP NetWalkerとの比較 その1 まったく性格の異なる2台

発表時期が近かったこの2台、何かと比較される事が多いように感じます。


SHARP NetWalker


工人舎 PMシリーズ
tWalker

しかしながら、この2台は全く別のカテゴリの製品と考えないと「もう一つのほうが良かった」と後悔する可能性が高い製品です。特に日本ではパソコンと言えばWindowsパソコンを指す事が多いため、より顕著に表れる可能性が高いでしょう。

その理由として、製品コンセプトがまったく異なることが挙げられます。工人舎PMシリーズはIntelのAtomプロセッサを利用した「超小型Windowsパソコン」として企画され、小さな端末にWindowsを動かすための工夫がされています。必要最小限の性能に必要最小限の拡張性を備え、携帯性を最大限追求したこの製品はまさしく最小の部類に属するWindowsパソコンです。そのサイズとWindows採用のため「インターネット端末」ともいえますが、それはあくまでも結果としてそのようになっているだけです。
しかし超小型ボディにWindowsパソコンとしての機能を詰め込んだ結果、Windowsパソコンとしての様々なものが犠牲になっています。「非常用Windowsパソコン」と名付ければ、何となくイメージがわくのではないでしょうか。

それに対して、SHARPのNetWalkerは携帯性の高い「インターネット端末」を企画し、それに併せてデザインがされています。webページの多くでサポートされるようになった「FireFox」や、その関連ソフトであるメーラーの「ThunderBird」を採用するためにLinuxの中でもユーザーの多い「Ubuntu」を採用し、また長時間駆動を達成するためについ最近「Ubuntu」が動くようになったばかりの省消費電力の組込系CPUであるARMを採用しています。キーボードやボディの大きさについては長年培ってきた電子辞書のノウハウを活かし、小型ボディで快適に入力ができるデザインになっていると言えます。
しかしあくまでもこれは「インターネット端末」のため、OpenOfficeを採用したことによるワードやエクセル、パワーポイントの表示や編集は「オマケ」であり、純粋なWindowsパソコンであるPMシリーズと比較することが間違っています。他にも動画プレーヤーやUSBによる拡張、スケジューラのSunBirdによるPIM機能などにより「パソコン」としての機能を揃えていますが、これはLinuxを採用した事による結果だと言って良いのではないでしょうか。

どちらもインターネット端末としてwebページの参照やメールの送受信はできますが、本来の目的がまったく異なるため比較すればするほど違和感を感じてしまいます。

つまり、(非常用)Windowsパソコンと携帯型インターネット端末のどちらが欲しいのか、これを見極めて検討をしなければ、本来必要としたものと違う製品を手にしてしまう可能性があるのです。

とはいえ、どちらもサイズの問題からくる欠点を抱えています。これについては続きのエントリで取りあげます。

※NetWalkerのまとめエントリ作成しました。→こちら

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