このLifetouch Noteはパソコンと比較すると非常に貧弱な機能しかありません。
しかし持ち運びが出来ます。
スマートフォンと比べると、入力装置のキーボードや大きな画面を備え、便利に補える製品です。しかし大きくて持ち運びしにくい製品です。
つまり、パソコンとスマートフォンのどちらを多く使っているかで、感じ方が変わってしまう製品です。そしてどちらも使っている方であれば、それらを補完する「丁度良い」製品と感じるでしょう。
パソコンやスマートフォンを繋ぐ「ハブ」。これこそLifetouch Noteの真価と言えます。
実は過去にも、このようなハブとなるキーボード付きコンピュータはありました。
例えばパソコンでは、私もつい最近まで所有していたVAIO typePや今は無き工人舎の画面が5~7インチのミニパソコンがありました。
スマートフォン寄りの製品では昨年auから発売されたIS01や、古くはdocomoのシグマリオンシリーズもそれに当たりますし、 NECのモバイルギアや、SHARPのZAURUS SL-CシリーズのようなLinuxを採用した小型キーボード付きPDAもこれに含まれます。
私のパンフレットのコレクションにも、それらの実機サイズとなるものが沢山あります。
過去に様々なサイズの製品が生まれ、そして消えていきました。消えていく理由は様々ですが、私が最も問題として感じるのはハブとして繋ぐ機器達へのデータ連係の煩雑さでは無いかと考えています。
先に挙げた機器達でデータ連係をするには、USBケーブルを繋いだり、SDカード経由でデータをコピーしたりとなにかしらの手間がかかります。
しかしLifetouchNoteはAndroidマーケットで配布されているアプリを使うことで、殆ど意識せずともクラウド経由でのデータ連係が出来ます。これこそがLifetouch Noteの最も大きな魅力なのです。
タブレットとスマートフォンしか想定していないAndroidマーケットを、このような小型パソコン風のLifetouchNoteに対応させるのは大変な事だったとインタビュー記事でも書かれています。何故それが必要だったのか。それはアプリを使うことでLifetouchNoteが進化が出来るからです。
これはiPhoneやスマートフォンをお使いの方なら分かるでしょう。これらもアプリを入れなければ、(ちょっと乱暴ですが)インターネットが出来る携帯電話でしかありません。
しかしアプリを入れることでどんどん使いやすくなっていきます。この進化が出来るようにした開発陣の先見の明は素晴らしかったと思います。
そしてEverNoteやDropBoxなどのデータをクラウド連係できるアプリが充実している今だからこそ、このLifetouchNoteが今までのハブとなる製品と一線を画していると思うのです。
iPhoneやiPadを使ってきた方なら、何を今さらというかもしれません。
実はこの感想は、昨年iPadを入手した時に感じていた未来です。iPadにもEverNoteやDropBoxのアプリがあり、同期が出来ます。ただし快適な入力が出来るキーボードはついていません。それにはMacbook Airという素晴らしい製品がありますが、ビューアとして優秀なiPadと同時に持ち歩くにはちょっと重すぎます。
ここにLifetouchNoteは潜り込んできたのです。
つまり私の中では自宅で使うパソコンと異動時に立って使うスマートフォン、それに座っている時に情報を見るためのiPadがあり、そこにそれらの機器とデータのクラウドが出来、かつ持ち運べる文字入力装置としてLifetouchNoteがあります。
鞄にiPadと仲良く収まった瞬間、私の中でLifetouchNoteの魅力が増したのです。
その上で製品をチェックすると、モバイルのための様々な工夫が魅力となっていきます。
ひたすらカドをラウンドさせたことで画面とキーボードの間に大きな隙間が産まれ、とても開けやすくなっています。
太いヒンジと肉厚なプラスチックエンジニアリング製の筐体は高い剛性感を産み出し、道具としての安心感を演出してくれます。
ハードウェアが持つモバイル性能がアプリと融合した時、より高い使い勝手が産まれます。これが所有する満足となり、製品への愛着となるのではないでしょうか。
OSのバージョンが2.2とスマホ用のものを採用しているため、アプリやOSの処理の所々で画面が横方向に表示されるなどの弊害があります。感圧式のタッチパネルは認識が甘いですし、光学ポインタも後付の実装なのでかなり癖があります。
しかしこの製品はモバイルキーボードを持つコンピュータの、一つの完成系を示しています。このブログでは毎年「これは!」というジャンルや製品に目を付けています。一昨昨年はEeePCに代表されるネットブック、一昨年は超小型デスクトップのネットトップ、そしてタブレットブームの引き金となった昨年のiPad。そこに今年はこのLifetouchNoteが年も差し迫った12月に滑り込んできたのです。
もしこのまま消えてしまうとしたら、あまりにも惜しい製品です。ぜひNECには自身が発売した製品の可能性に気付いていただき、進化させて寄り素晴らしい製品にして欲しいと思います。
そんなわけで、全くまとまらない文章ですがLifetouchNoteのレビューはこれでおしまいです。
【関連リンク】
・NEC Lifetouch Noteまとめエントリ
Lifetouch Noteのレビューや関連リンクを集めました。
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