2011-12-28

【レビュー】NEC Lifetouch Note その5 活用される状況と、ユーザー像について考えました

ちょっと間が空きましたが、年内完結を目指しライフタッチノートのレビューを進めていきます。今回はどのような状況でLifetouch Noteが活かされるかと、ユーザー層について考えます。今回が一応まとめ的なエントリとなりますが、あと一回だけエントリを追加します。なお、今回もテキストオンリーで更新します。

さて。

このLifetouch Noteを活用する状況については、まず外出時という条件になります。自宅で寝っ転がっている時や、パソコンの傍らに置いておき処理待ちなどの時にtwitterやFacebookのチェックにも利用をしますが、主な使い道は外出時のテキスト入力マシンです。外出時にテキストを入力しない方には必要性を感じられないでしょう。

もし自宅で利用するなら、パソコンと10インチ程度の画面を持つタブレットの組みあわせがお奨めです。入力の快適度はLifetouch Noteはパソコンには敵いませんし、ビューアとしては画面のサイズも解像度、そして発色いずれも貧弱です。画面はあくまでもキーボードを使うための道具として割り切る必要が有り、過度な期待をしてしまうとガッカリすると思います。

また、外出時でも電車などテーブルなどの固い置き場所が確保できない場所でしか使わないのなら、最大で4.5インチという大画面を持つ最新のスマートフォンの利用をお奨めします。安定した置き場所が無いとLifetouch Noteはどうしても使いづらいですし、片手で操作出来るスマホならば満員電車や狭い座席でも気軽に扱えます。


ユーザー層については、モノ書きをする人にはお勧めできる製品ではありますが、作家などの文筆業を生業にしている方にはどうだろう?と疑問符を付けておきます。

その理由は縦書きソフトの不在。特に紙で出版されるものの文章は縦書きのものが多く、このLifetouch Noteでは縦書き表示でのプレビューが出来ません。この点は文字入力に特化させたPOMERA DM100ではしっかり対応していますので、NEC Lifetouch Noteではぜひアプリでフォローしていただきたい点ではあります。

この製品が最もはまるだろうと思われるのはブロガーでしょう。メモ程度のカメラを備えるこのLifetouch Noteは文章を書きながらメモ撮影をすることが出来ますし、何よりイベント等で提供される狭い机でもこの製品なら全く問題ありません。仕事帰りのイベントでもビジネスバッグの片隅に押しこんでおけるサイズなので問題ありませんし、利用しているブログによってはライフノートの投稿機能が利用できるのでイベントレポートもこの製品だけで仕上げることができてしまいます。

もちろん本業の記者の方にも向いていると思いますが、一日中外出して取材をするような場合ではバッテリーの持ちが4時間強ではちょっと心許ないと思います。記事にする際には媒体用のフォーマットに起こすため、単体で編集を完結させることも無いでしょうし、作成した文章も会社に帰るまで他の媒体にうつすこともないでしょう。バッテリーも単3乾電池なので入手も用意ですし、考え場考えるほどPOMERA DM100のほうがしっくり来るのです。

ちなみに上記で挙げたLifetouchNoteのネガティブな点は、スマホやタブレットと組み合わせることで緩和されます。特にバッテリーについては状況に応じて前回の記事で紹介したEverNoteやオンラインストレージのDropBoxとを利用してタブレットの初代iPadやスマートフォンのdocomo L-04Cと組み合わせて利用することで、半日外出していてもバッテリーに不安を感じることはありません。クラウド上にデータを置くことでデメリットが打ち消せる。クラウド上にデータを置くgoogleという会社のOSであるAndroidを採用した思想は、使い方も示していると考えると納得です。

最期になりますが、この製品は良くも悪くも様々な端末を中継する「ハブ」であるため、単体では完結しない製品です。ごく特定の状況でその真価を発揮しますが、殆どの環境で代用品が存在しますし、コストダウンとの兼ね合いからかバッテリー持続時間も含め気になる点は多々あります。これらを考慮し割り切れるかどうかが購入できるかどうかのポイントとなるでしょう。

しかしツボにはまれば、これ以上の製品はなかなかありません。そしてツボにはまる「ブロガー」というジャンルの書き手は今増殖中なので、定期的に製品をアップデートし続ければ以前のSHARP ZAURUSのようなコアなユーザーを掴める製品だと思っています。

というわけで、最終回となる次回は、この製品のPCとスマホの中間にある「ハブ」としての性格についてさらりと説明しておきます。周辺機器を繋ぐことで昨日の拡張が出来た「パソコン」の時代から、最低限の機能のみ持って、拡張は別の機器やネット上の機能を借りる「スマホ」の時代に突入しつつある今、こういうニッチな製品は重要度をあげていくだろう、という予測をしています。三年前はEeePCから始まったネットブック、一昨年はネットトップパソコン、そして去年はiPadと、コンピュータの進化を単一の製品で感じていましたが、今年は複数の「ガジェット」と呼ばれる小型コンピュータ達がそれを教えてくれたことに年末になってようやく気がついた気がします。

【関連リンク】
・NEC Lifetouch Noteまとめエントリ
 Lifetouch Noteのレビューや関連リンクを集めました。

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