2011-12-20

【レビュー】NEC Lifetouch Note その1 Lifetouch Noteとはどんな製品?

さて、前回はこの製品への思いを書きましたが、改めて今回からLifetouch Noteについてレビューを進めていこうと思います。




この製品は一言で表すと「便利で安価な持ち運びキーボード」です。
そう、あのKINGJYMの「POMERA」、それも最新型のDM100とよく似ています。
ただしずっと多機能です。そして文章を作成するのにとても便利な機能を備えています。この言葉を念頭に置いて説明をしていきます。
まずはキーボード。ピッチは16mmとモバイルキーボードとしては標準的です。タッチはやや堅めですが、ストロークが短いのでこれぐらいでないと指が痛くなります。初代VAIO typePがそれに近いものがありました(2代目はグッと良くなりましたが)。レイアウトがやや特殊ですが、これはOSに起因する部分もありますし、キーバインドを純正でサポートしているので気になる人は入れ替えてしまうのも手でしょう。


OSには携帯電話やタブレットに使われるAndroidを採用しています。そのためサスペンド状態でも電池の減りが緩やかなので、この状態で持ち歩くことで画面を開けば一瞬で起動します。

画面はサイズが7インチ、解像度は640×480という今時のAndroid端末としてはなんの特徴もありませんし、発色もそれほど良くはありません。ただし文字入力には何の問題もありません。できれば光沢は抑えて欲しかったところですが、非光沢の保護シートを付ければ問題無くなるでしょう。


その画面はAndroid端末なのでもちろんタッチパネルですが、iPhoneなどで使われる静電誘導方式ではなく感圧式と呼ばれるものでやや感度は鈍いです。
しかし内蔵のスタイラスペンで細かな指定が出来ますし、慣れてくると爪でなんの問題も無く使えるようになります。
マルチタッチには対応していませんが、ビューアとしては画面が小さめなのと基本操作はキーボードでほぼ出来てしまうためそれほど必要性は感じません。

そしてAndroidマーケットを利用して、文章を作成するのに便利な各種アプリをインストールすることが出来ます。初期状態でもEvernoteや専用メモアプリのライフノートが入っているので、キーボードで快適に文章の入力が可能です。
何より日本語IMEとして非常に評価が高いATOKを標準でインストールしているのがポイントです。私はパソコンでもATOKを利用していますが、携帯では当たり前になった予測変換機能は文書を書くのにもはや必需品になっています。

ちなみに文章を書いていて、ちょっと調べ物をしたくなった時にも全てのモデルがWi-Fi内蔵なので、無線LAN経由でインターネットが出来ます。
3Gモデル、もしくはモバイル無線LANルーターを持っていれば外出先からでもインターネットが使えます。

また、Twitterや各種ブログのアプリをインストールすればカフェなどから気軽に呟いたりブログを更新することが出来ます。

200万画素と解像度は高くないですが、メモとしては十分なカメラもついていますので画像の差し込みも問題ありません。


標準サイズのSDカードスロットも備えているので、高品位なデジカメ画像の取込もこれ一台で出来ます。


GPSも内蔵しているので、FourSquareなどの位置アプリで「カフェに来ました」なんて記録も出来ます。

USB経由でデータ通信も出来るので、パソコンとのデータ連係も簡単です。
メモリも上位機種で内蔵8G+付属SDカード8Gの16G、SDカードは最大で32Gまで対応しているので、合計48Gとなります。文書や写真の保存にはなんの問題も無い容量になります。
アプリを入れすぎるとやや厳しくなりそうですが、私は合計16Gの状態でも半分程余っています。

さらにDropBoxやYahooボックスなどのオンラインストレージサービスを使えば、作成した文書はパソコンやスマートフォン、タブレットと即時に同期されます。

もちろん文書作成時に娯楽として音楽も聴けるように、モノラルスピーカやイヤホン端子を備えています。

YouTubeやRealPlayerなどの動画視聴用のアプリを入れれば動画を見て息抜きもできるでしょう。



このように、全ての機能はキーボードを生かすために設計されているといって良いでしょう。
説明の中で気になる点もいくつか上げましたが、コストダウンとキーボード優先と考えれば辻褄の合うものばかりです。

もちろんUstreamのビデオカメラとしての使い勝手の良さや、スマートフォンを補うガジェットとしてなど他にも色々な使われ方があるのですが、キーボードでの文書入力が必要でない方はこの製品の魅力はそれほど感じられないと思います。それぐらいキーボードに依存した製品に仕上がっています。

実は開発陣も様々な媒体のインタビューで、そこそこの値段で快適にキーボード入力を行える端末という製品コンセプトであることを明言しています。 まず快適に入力できるキーボードがあり、それを表示する画面があり、入力した情報をスムーズに連係できるようWi-Fiや(グレードによっては)3Gの通信機能をつけた。ブログなどの文書を作るのならカメラもあったほうが良いでしょう、と。

「見る」事が多いユーザーならタブレットをお奨めしますし、より気軽に持ち運ぶのならスマートフォンが選択肢になるでしょう。そうではなく持ち運べるキーボードが欲しい、と言う人にこそこの製品はしっくり来るのです。

というわけで、次回は文字入力とキーボードについて取り上げます。

【関連リンク】
・NEC Lifetouch Noteまとめエントリ
 Lifetouch Noteのレビューや関連リンクを集めました。

【参考リンク】
Lifetouch Note 製品ページ
Lifetouch Note 開発者インタビュー

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