前々回でこの製品を「モバイルキーボード端末」と評しましたが、この端末は持ち運んで文字入力をすることを重視された製品です。そのため固定された場所でしか者を書かない、もしくはそもそも文字入力を必要としない人には必要性が感じにくい製品でもあります。
ただしモバイル性能を重視した16.8mmというピッチサイズなので、18mm程度のフルサイズのキーボードには敵いません。自宅なの広い場所ではWindowsパソコンとお気に入りのテキストエディタ、それにIMEを組み合わせた方が確実に入力効率は高いです。モバイルするの家庭内ならノートパソコンで十分でしょう。
しかし、カフェやマクドナルドの小さなテーブルや奥行きのないカウンターでは話が変わります。モニタが10インチ程度のネットブックでもかなり窮屈です。そういう場面でこそ、奥行きが無、設置面積の小さいモバイルキーボードサイズのLifetouch Noteが真価を発揮します。縦方向が短い画面も、この特徴のために割り切りが必要な点になっています。
キーボードの入力タッチは堅めですが、ストロークが短いので柔らかすぎると指が痛くなるので、この方向性は有りだと思います。ちなみに以前所有していた初代VAIO typePはかなり柔らかく、2代目はこの両機種の中間ぐらいでした。個人的には2台目のVAIO typePがベストなのですが、LifetouchNoteも十分許容範囲内です。
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あと、コストとの兼ね合いからかキーボードの質感はかなり安っぽいです。全体的な仕上げでもコスト的な制約を強く感じる製品ですが、生命線とも言えるキーボードにもそれを感じてしまいます。このあたりは贅沢にコストをかけてあったVAIO typePと比べるとその差は歴然。
ただしそのコストカットは「最低限の使い勝手」を損なうレベルではありません。このバランスは長らく携帯電話やPDAも作ってきたNECならではのノウハウではないかと思います。
また、標準IMEとして添付されているATOKの存在も快適な文字入力を支えてくれます。ATOKの長所の説明は他のレビューしている先人にお任せしますが、とにかく快適に入力ができます。特に入力が不自由な携帯電話で磨かれた予測変換機能は、キーボード入力でも快適な入力をサポートしてくれます。
このキーボードとATOKの組みあわせにより文字入力そのものも快適にできますが、見逃してはならないのがデータの保存方法です。実はこの点がPOMERAとの比較で大きな優位点となっています。
前回の記事でも言及しましたが、DropBoxやYahooボックスなどのオンラインストレージサービスを使えば、作成した文書はパソコンやスマートフォン、タブレットと即時に同期されます。つまり作成した文書は直ぐにパソコンやスマホで閲覧、編集が可能になります。
スマホとパソコンを繋ぐ製品としては、このデータが直ぐに同期出来るのは大きな利点です。例えば出かける寸前までパソコンで書いていた文章の続きを外出先のカフェでLifetouch Noteで完成させる。それをスマホでチェックしながら、気になったところを帰宅後のパソコン、もしくは次の移動先でLifetouch Noteで修正する。Lifetouch Noteはパソコンとスマホの「繋ぎ」としてこのような活用が出来ます。細切れ時間をより有効に活用する。そんな場面でこそこのLifetouch Noteは活きると思います。
何か文章を作成する時、特にブログを書いているような方なら過去の自分の文章を参照する場面もあると思います。検索のGoogleが作ったOSであるAndroidを採用しているLifetouch Noteならそんな検索もお手の物です。ホーム画面の検索ウィンドウからDropBoxやEverNoteを指定して検索が可能です。
このようにLifetouch Noteは文章を作成する上で、保存や過去文書の検索等のより便利な活用についてまでカバーしています。もちろんパソコンならば可能な作業ばかりですが、このサイズ、この重量でこれだけ快適に使える製品はありません。
というわけで、次回はLifetouchNoteのモバイル性能についてレビューしたいと思います。コストと持ち運び性能との狭間で取れらたバランスをどう評価するかは、この製品を購入するかどうかの大きなポイントだと思います。
【関連リンク】
・NEC Lifetouch Noteまとめエントリ
Lifetouch Noteのレビューや関連リンクを集めました。
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