まずはハードウェア的な機能のおさらいです。
重量 約105g
寸法 横54.8×高さ104×厚さ13.5(mm)
画面
サイズ 2.8インチTFT
解像度 320*240
その他 タッチディスプレイ(マルチタッチ非対応)
CPU
種類 Qualcomm MSM7225
周波数 528MHz
メモリ
内部 ROM:512MB/RAM:256MB
外部 マイクロSDHC対応で最大32Gの拡張が可能
※2GのマイクロSDが附属
カメラ
画素数 約320万画素(オートフォーカス非対応)
センサーCMOS
動画 352×288
静止画 2,048×1,536
バッテリー容量
1200mA
連続通信時間
約4時間
接続端子
microUSB(USB2.0)
3.5mmイヤホンジャック
外部接続
Bluetooth 2.1+EDR
無線LAN IEEE802.11b/g/n
通信速度
上り 最大7.2Mbps
下り 最大5.8Mbps
無線LANルータ機能
無線 IEEE802.11b/g準拠
セキュリティ WPA2 -PSK(AES)
接続数 6
その他
スピーカー
マイク
GPS
電子コンパス
画面サイズや解像度だけでなく、マルチタッチやオートフォーカス、CPU処理速度など削れるところは全て削った割切仕様です。とはいえGPSや電子コンパス等などiPodTouchには無い機能を備えていますし、低い性能も一月使った感想では慣れれば問題無い範囲内です。短時間ならポケファイSだけ持ってお出かけする事がほとんどです。
後述の安価な維持費と併せて考えれば、お子さんの「はじめてのスマートフォン」としてのベストチョイスと言って良いでしょう。
【ソフトウェア】
ソフトについては、標準で以下のものがインストールされています。
・Android2.2標準アプリ
・GMail
・メール(popメール対応)
・YouTube
・Androidマーケット
・Googleナビ
・Google音声検索
・Googleマップ
・Googleカレンダー
・Googleメッセージ(留守電機能など)
・Googleトーク
・連絡先
・アクセサリ(時計、電卓、カメラ、ギャラリー、音楽など)
・その他
・twitterクライアント(公式)
・twidroid(twitterクライアント)
・脱出ゲーム体験版
OSがAndroid2.2のため、音声検索やナビなどがあるのが嬉しいところ。ナビはバッテリーが使いっぱなしだと3時間ぐらいしか持たないので微妙なところですが、音声検索はホント便利です。全然間違えません。
それ以外のアプリではtwitterとfacebookが入っている辺りがポイントでしょう。これにmixiとGREEアプリが入っていれば完璧なのですが、それについては別途起こすエントリのほうで解説します。
【モバイル無線LANルーター機能】
このPocket WiFi Sの大きな特色として、国内他社のスマートフォンでは実現されていないディザリングとよばれる無線LANルーター機能を搭載している事が上げられます。画面上に大きく表示された「Pocket WiFi」ボタンをタップすれば、Pocket WiFiのように無線LANルーターに変身します。
今まで私のようにPocket WiFiとiPodTouch、パソコンを持ち歩いていた人なら、Pocket WiFi Sに乗り換えると持ち歩く機器がひとつ減る事になります※実際は変わってないのですが、これについては別エントリで詳しく説明します。
【価格】
2年縛りを活用すれば本体価格はなんと一万円、毎月の使用料が3280円とバーゲンプライスになります。
なお、この月額料金に電話代は全く含まれていませんが、エリアが主要3キャリアと比べて狭いため、2台目需要がほとんどと考えれば非常用電話として毎月の固定費用がかからない事のほうがメリットとなるでしょう。
維持費用は以下のようになります。
・初年度
・本体価格 \10,000
・初期費用 \ 2,835(契約事務手数料)
・月額 \39,360(\3,280×12)
合計 \52,195
・翌年以降
・月額 \39,360(\3,280×12)
本気で使うならジャケットと増設SDカード(16G)が欲しくなると思うので、これに5千円位を追加出費として考えるとよいと思います。
ちなみに、ドコモのスマートフォンは本体代金が大体\40,000ぐらい、通信料が無料通話込みで\6,000ぐらいなので、初年度が契約手数料と併せて11万5千円ぐらい。これにジャケットと増設SDカード(16G)をつけて同じように+5千円と考えるのが妥当です。iPhone4は内蔵メモリ16Gのモデルが本体一括で\46,080、その場合の月額通話料が2年間は3,785円(それを超えると\5,705)なので、初年度は契約手数料と併せて9万5千円ぐらい。メモリ増設は出来ないので、ジャケット代で2千円位を考えると良いかもしれません。
上記計算はそれぞれ定額通話・通信料として計算してますが、通信はスマホの便利さを味わうと確実にMaxに届くのでこのプランで計算をした方が現実的です。ちなみにauはわかりませんが、同じようなものだと思います(こら)。もちろん高性能な本体と広範囲な通話・通信エリアを考えれば主要3キャリアのスマホと差額があって当たり前なのですが、ほぼ半分という差額を考えるとPocket WiFi Sの価格破壊ぶりは分かってもらえるのでしょう。
【短所】
ここまで良いところを中心に紹介してきたので、短所も洗い出しておきます。
まず、マルチタッチ非対応によるズームのしにくさ。画面に指を置いて暫く待ってればズームボタンが出現するんですが、タッチと勘違いする誤動作があるのと、認識してくれないときがあるのがストレス。ハードボタンで対応出来ないのかな。
あと、カメラがオートフォーカス非対応てのは地味に痛いです。ピンぼけ写真のなんと多い事か。画面の画素数が少ないので、パソコンで見るまでピンぼけに気づかない事が多数。
電池の持ちも厳しい。無線LANルーターとして使うだけなら公称4時間に迫る持続時間になりますが、スマホとして使うと3時間がせいぜい。筐体がもう少し大きくなってもいいので、Pocket WiFiと同じ1800mAとして欲しかったなぁ。
このPocket WiFi機能ですが、ソフトウェアで対応しているためかルーター利用時に誤動作するwebサービスがありました。具体的にはチャット利用時に、パソコンからアクセスしてるのにログイン後Pocket WiFi Sからのアクセスと判断されログインできない、等。この辺はソフトウェアのアップデートで改善される事を望みます。
【まとめ】
Pocket WiFi Sは、制約があるとは言え操作系以外はAndroid2.2の機能をほぼ全て使えるマシンです。iPodtouchなどでは使えないGoogle音声検索やGoogleナビ等のAndroid端末固有の機能が使え、これが本体価格1万円で手に入るのはスマホの選択肢を大きく広げた一台ではないでしょうか。
パソコンでもDOS/Vと呼ばれた低価格デスクトップパソコンや、ネットブックと呼ばれるノートパソコンが普及の原動力になりました。必要最小限の機能を低価格で使える、というのはその分野の機器が普及するのに必要な要素だと思っています。
マルチタッチ非対応、小さくて解像度の低い画面、通信エリアの狭さなどのデメリットは、スマホの主要機能が全て使える事で打ち消されます。
併せて、ディザリング機能モバイル無線LANルーターとして使える事がこの端末の魅力を大きく引き上げています。
ちょっとしたインターネットの利用は本体のみで。
もの足りなくなったらモバイル無線LANルーターとして、タブレットやパソコンからアクセスする。
そんな風に「ちょっと使い」としてのポジションにこそふさわしい機器だと思います。
【参考リンク】
http://emobile-honpo.com/report/s31hw.html
http://emobile.jp/products/hw/s31hw/index.html
http://emobile.jp/products/hw/s31hw/spec.html
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