2010-01-20

lenovo ThinkPad新製品発表(X100e、Edge13)ブロガーミーティング~10万以下のモバイルPCについて考える~に参加してきました。その3

ThinkPadイベント参加のエントリ、だいぶ遅くなりましたが最後に取り上げるのはX100eです。実は今回私が参加した目的はこれでした。サイズ的にX61のリプレースが行けるんじゃないかと(性能は難しいですが)というわけで、常に「X61と比較したらどうか」と考えながらチェックしてきました。

■携帯性

B5モバイルのX61の後継として考える上で、携帯性は真っ先に考慮すべきポイントです。というわけで、まずは私物のX61(大容量バッテリー)とX100e(同じく大容量バッテリー)の比較写真です。


電池食いのX61では、このようにイベント会場などの電源があてにできない環境では大容量バッテリーは必須ですが、X100eも大容量バッテリーで公称5時間と、モバイル環境ではどちらも大容量バッテリーは必須のようです。

しかし11.6ワイド画面のX100eは12.1 4:3画面のX61と比べ奥行きがかなり少ないです。幅こそ微妙に大きいのですが、厚みもさほど変わりませんし、重量も大容量バッテリー接続で約1.5kgとX61標準パッケージ程度に収まっています。持ち運び性能については事前の期待通り良好でした(あくまでもX61比較ですが)。

ちなみに私はパームレスト部分の端をつまんで片手で持ち上げる事が多いのですが、この持ち方だと奥行きがない分軽く感じます。この持ち方では重量物のバッテリーが一番向こう側になるので、てこの原理で重く感じちゃうんですよね。

■堅牢製
タフモバイルPCとして、敵はLet's Noteぐらいしか思い付かないThinkPad。ThinkPadの堅牢製に慣れた人が安価なネットブックを使ったところ(メーカー名は伏せますが)いつの間にか液晶が割れたとトラブルを持ち込んでなったので、他人に勧めるにもここは気になる部分です。

で、このX100eは以下の分解写真だけでは分かりにくいと思うのですが、安い素材を使って上手に強度を出しています。


内部にツーバイフォー住宅のように上下のパネルを繋ぐ構造としたり、天板を外側に3mmほど膨らませる事で耐圧力製を高めるなど、安価な素材の弱点を知恵で克服しているのは先のエントリに書いたとおりです。そういや、Let's Noteのボンネット天板も構造で強度を出しているので、形状って重要なんだなぁと思いました。

また、ハードディスクも取り付けねじを一個減らしたらうまく衝撃を吸収できるようになった等、硬きゃいいってものじゃない裏話もでてきたり。力を逃がすため意図的に強度の弱い部分を作るというのは車の車体を作る際には重要な要素だったりしますが、パソコンでも同じなんだと変なところで感心してしまいました。


あと、地道すぎて誰も気づかないだろう、というのがトラックポイント周り。ThinkPadのアイデンティティーでもあるこのポインティングデバイスは、キーボードから上にはみ出しているので天板に強い衝撃を受けた際真っ先に触れてしまいます。その分画面との間に余裕を持たせて設計をするのが常なのに、X100eではそれが許されない。というわけで、構造そのものを工夫してトラックポイントに出っ張りを0.5mm減らしたそうです。キーボードもストロークを0.5mm減らしていますので、結果1mmの余裕を生み出し、それを画面保護のクッション空間に当てたと。たった1mmと言われそうですが、限界を責めているノートPCの厚さで1mm削るのがどれだけ大変かは声を大にして伝えておきたいところです。

■性能

メインマシンのX61のリプレース候補として見るので、これは外せません。CPUはAMD社のAthlon Neo NV-40 1.6GHzのシングルコアなので高い負荷を必要とする作業には絶対不向きです。しかしAMD社のCPUはIntel社のCPUと違い、データ転送速度のFSB周波数に足を引っ張られにくい特徴を持っています。これに統合チップセットとしては高い画面描画機能を持つ最新のVision ProプラットフォームをおごられたX100eは、数世代前のFSB周波数と画面描画機能のAtomプロセッサと比較して画面描画の性能が必要なWindows7環境では間違いなく上を行くでしょう。2月上旬にお借りできることになっていますが、写真のレタッチや動画再生でどこまでパフォーマンスを示してくれるのか非常に楽しみです。

ちなみにAtomプロセッサでは使用可能なメモリ容量に壁があり、64bitOSを使っても4GBを使い切れないと言う問題があるようですが、AMDの技術者の方に話を聞いたところこのような問題は無いとおっしゃっていました。OS側に3GBの壁があるとは言え全部使えないというのはどうかな、と思っていたのでこれも好評価ポイントです。こんなところにもAMDプラットフォームを採用した恩恵がありました。

■キーボードとポインティングデバイス

ThinkPadを語る上で、これは外せませないでしょう。今回、Xシリーズとして初採用のアイソレーションキーボードとブルジョアモデルのX300以外では初採用のタッチパッド併用のトラックポイントは気になる部分でしたし、実際気になっている方も多いと思います。


しかし実際に使って見たら、結果的には「こりゃイイ!」と不安はどこかに行ってしまうほどの出来映えでした。そういや、技術者の方が懇切丁寧に説明していましたが、それだけ説明するネタがあるのも頷ける出来です。

まずキータッチですが、2mmと0.5mm少なくした事によりThinkPad独特の入力感は影を潜めています。しかしアイソレーションキーボードで多いぺらぺらとした打鍵感ではなく、心地よい反発力のある「ThinkPadらしい」キータッチなのです。キートップもフラットではなくわずかに凹みを持たせているため指先がキーを認識しやすく、また滑りません。


アイソレーション化した事により副産物として産まれたのがトラックポイント周りのキーの打ちやすさ。私はブラインドタッチが出来ないので指がトラックポイントを超えて「H」や「G」を打つのですが、よく指に引っかかります(試してみると分かると思います)。それがトラックポイントの出っ張りも減った事と相まって、上記のキーが非常に打ちやすい。より幅広い方にThinkPadを使ってもらおうという試みの中で、この部分についてはタッチ&トライ等のキャンペーンをしてトラックポイントが邪魔にならない事をアピールして欲しい、なんて思ったりしました。

あと、トラックポイントのキャップは従来のものが使えるようです。私はクラシックドーム派なのですが、トラックポイントキーボードを購入した際、付属品にクラシックドームが入っていなかったため愕然としました。最近単品売りをしないので(これはおかしいよ!!!)結局ヤフオクで入手して差し替えました。

X100eは高さが低くなったという事で、もし標準でクラシックドームが付いていないと使えないんじゃないかとドキドキしたのですが心配が杞憂に終わってホッとしました。

■まとめ

というわけで物欲を強力に刺激する製品に仕上がっていたX100eですが、X61のリプレースが出来るかというと私のヘビーな使用環境に何処まで耐えるか(負荷が高すぎるのか、今までにもパソコンを「壊して」買い換えてるんですよね)お借りした際に確認してみたい所です。私は動画編集などは行わないのでCPUにそれほどとんがった性能は求めないのですが、とにかく複数のマルチタスクをさせるのでシングルコアのNV-40がどれだけ耐えてくれるか、と言う部分を重点的に確認しようと思っています<こんな事書いたら貸してくれないかも。。。


これでMTの報告も終わりです。最後に、貴重な場を提供してくださったAMNの皆様と、素人の質問にも丁寧に答えてくださったlenovoとAMDの方々に深く感謝を表して終わりにしたいと思います。


次はX100eのレビューで!


【関連リンク】
 ・lenovo ThinkPad新製品発表(X100e、Edge13)ブロガーミーティング~10万以下のモバイルPCについて考える~に参加してきました。その1
 ・lenovo ThinkPad新製品発表(X100e、Edge13)ブロガーミーティング~10万以下のモバイルPCについて考える~に参加してきました。その2
 ・ふたを開けたらちゃんとThinkPadでした。X100e,Edge13
 ・ThinkPad X61のある生活 まとめエントリ



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