2010-06-11

新VAIO Pシリーズ先行体験会モノフェローズイベントにいってきました その3

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このレビューは家電・PC・携帯・ゲームレビューサイト「みんぽす」から招待されたセミナーに参加して掲載しています。(詳細は末尾で)


さて、3回目の今回は新型typePの立ち位置と、今後の進化について考えます。個人的な妄想全開なので、まぁ軽く読み流してもらえれば。

前回、前々回を読んでいない方は以下から復習をどうぞ。(その1)(その2


■最高のモバイルWindowsマシン

まず最初に言いたいのは、この新型VAIO typePはモバイルWindowsPCとして私の中では(現時点で)最高の一台ということです。VAIOのモバイルPCとしてはより万人に受け容れられるVAIO Xがありますが、モバイル性、割り切り感、独自性などトンガったWindowsPCとしてこちらのほうに軍配をあげます。今回の「深化」は初代のネガティブを打ち消す、もしくは良さをさらに伸ばすムカつ、いえいえ、素晴らしいものでしたし、この製品に対してのVAIO開発陣の自信をイベントでも強く感じました。

しかし、だからこそ「最高のモバイルWindowsマシン」でしかないことに不満も残るわけです。このあたりを詳しく考えていきます。

■Windowsを使うが故の限界

このイベントの前日は、世をにぎわせたiPadの発売日でした。
このブログでも散々取り上げたように私も銀座に並びたくも無いのにマーケティングの理由かなんだかよくわからないですが強制的に並ばされて買ってきました(ちなみにビックカメラではスマートなやり方で行列を最小限に抑えていたとの情報あり。次からはそっちで買います)。

このiPadは簡潔に言うと、見る事に特化したコンピュータです。キーボードという入力装置から作り上げたVAIO typePとは長時間駆動や高いモバイル性など、モバイルコンピュータという同じジャンルで似た特徴を持っていますが、出発点が全く異なるため似て非なる製品と言って良いでしょう(ま、見た目も全然違いますけど)。

しかしこのiPadには、VAIO typePが逆立ちしてもかなわない長所があります。それは起動時間の早さです。

携帯電話用OSを使っているのですから当たり前なんですが、これは使えば使うほど良さがわかります。ホームボタンを押せばコンマ数秒で現れ、使えるようになる画面。各アプリもアイコンをタップすれば数秒とかからず起動します。Z560と高速SSDを採用したtypePの最上位モデルでも、これには全くかないません。これはハードやチューニングではなく、WindowsというOSに依存する問題のためSONYでは解決できない問題でしょう。

モバイルコンピュータは隙間時間にちょっと使うことが多いため、起動時間が遅いのは致命的です。私の所有しているtypePは初代のもっとも遅いCPU+HDDモデルのため、特に起動が泣きたくなるほど遅いです。しかしWindowsPCがどうしても必要になることが多いため、かばんに入れる常備PCとして外すわけには行きません。この事こそが、typePの抱えるジレンマではないかと思います。

Windowsだからこそ求められる一台であるのに、Windowsだからこそ越えられない壁がある。私はそんな風に思ってしまいます。

■他のSONY製品(特にテレビとレコーダー)との連携不足

これは特に大きな声で言いたいのですが、せっかく手元にtypePがあってもSONY製品と組み合わせて便利に使える機能が(あることはあるんですが)使いたいと思えないため、我が家の家電は東芝(テレビ)やVICTOR(音響関連)の連合軍となっています。特にテレビはBRAVIAも候補には挙げたのですが、倍速以外に売りがなくHDD録画ができるREGZAにしてしまいました。

SONYで囲い込みをすることが批判に繋がることもあるとは思うのですが、では他社の製品と組み合わせてより良いサービスを提供するなんてできるのでしょうか。私が言いたいのは「自社製品でも便利と感じられるようなサービスが構築できないのに。他社製品でそれを感じてもらうなんて無理だろう?」ということです。

・気になる番組はクリックひとつでHDDレコーダーで録画する。
・その番組をtypePの画面でリモート再生する。
・パソコンに取り込んだ写真や動画をリモートでテレビに表示させる。
・PCの音楽をリモートでミニコンポなどから再生させる。

こんな風にtypePを「情報端末」として使ってみたいのです。BRAVIAでできるのならそれに買い換えますし、度量が広いならほかのメーカーでもできるようにしてくれればいい。手元にあるtypePは、自身の非力な閉じた世界のリソースしか使えないのです。PSPでは一部実現してるのに。iPadでもかなり出来ちゃうのに。なんてMOTTAINAI。

ほかにも、デスクトップのVAIOとの連携だってあります。せっかくすばらしいキーボードを作ったのですから、デスクトップVAIOのキーボードとして使ってみたいと思います。

今回のモデルではブルートゥースキーボードとして使える機能を搭載してきましたが、これは本当にキーボードとしてしか使えない。そうではなく、デスクトップの「モバイル部分」としてtypePを使えるようにしたいと思う人は他にもいるのではないでしょうか。

自宅のデスクトップは常時起動していて、地デジ番組を録画したり、インターネット経由でtypePからデータを参照できるNASとしての機能がある。録画した地デジ番組はtypePをセットしたらワンセグ画質でtypePに自動でコピーされ、外出先で見れるようにする。

音楽もデスクトップとtypePで常にデータが同期され、一方をバックアップデータとして使えると便利です。

デスクトップ側にはテンキー付のドックが用意され、ドックにセットするとtypePの画面をサブモニタとして利用しながらデスクトップ側の強力なCPUでさくさくと処理をする。。。

今だって似たようなことができますし、実際にいろんなソフトを駆使してやっています。しかしそんな便利機能をメーカー側が本気で作ったら、それは便利だろうなと夢想してしまうのですよ。

■iPadというライバルに比べて露出が足りない

これはリソースの問題もあると思うのですが、このtypePってもっと騒がれてもおかしくない製品だと思います。社会現象まで巻き起こしている相手を向こうにしてこれは難しいと思うのですが、局地的にはいけると思うのです。

前回のエントリでも書きましたが、表参道や原宿のショップに協力してもらって街中をtypePにしてもらうとか。モデルのイベントでtypePを持たせるのだってアリです。どこかのカフェで体験使用できるtypePを座席分用意して、使ってもらうのなんてのも良いでしょう。

私のような素人が考えるよりもっと素晴らしいアイデアがあると思いますので、ぜひそんな格好いいイベントを見てみたいものです。

■最後に

初代ユーザーから見て、とにかくムカツクという言葉がぴったりな完成度の新型は、初代で迷っていた人なら買い、初代を持っていて非力さなどで満足していない人も買いでしょう。

ただし先の章で書いたように「見る」がメインの人ならiPadという選択肢も併せて検討した方がより間違いの無い買い物が出来ると思います。気軽に持ち運べてきちんとタイピングが出来るWindowsPCが欲しいのならtypePをお勧めしますが、webを見たりゲームをしたりがほとんどというライトユーザーにはiPadで十分だからです。

出来れば店頭でタイピングをして、グリップスタイルを試してみて、現時点でのモバイルPCの完成型に触れてみてください。ネットブックやiPadにはない世界を、このtypePはきっと見せてくれるでしょうから。

最後になりますが、こんなイベントに興味を持たれた方はぜひみんぽす様に参加しましょう<これ重要。

イベントに参加して、ブログを書いて、また参加する。この「知識の習得」のサイクルが気持ちよくなったら、きっといろんな情報がブログで発信できるようになりますよ。

そんなわけでおしまい。



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