「これまで約200万台を出荷」--ネグロポンテ氏、OLPC事業の取り組みをアピール(CNET JAPAN)
> 十分な数の書籍を手に入れることが難しい途上国では、1台に何千冊もの本を格納できるノートPCや電子書籍端末の使用が有効である
いやいや、途上国でなくても、このような低価格の教育用コンピュータというのは有効ですよ。ちなみにキーボードをタッチパネル内のソフトウェアキーボードにすると部品が減り、コストが下がる。そう、あのiPadの形態、Slate(スレート)PCと呼ばれるボード状のコンピュータ。自分がSlatePCに拘るのはこれも理由のひとつだったりします。
モニタもe-inkにしてしまえば省電力で、かつ読みやすくなります。途上国ではOLPCのようにより汎用性の高いPCのほうが良いかもしれないけど、先述のように部品コストを下げる事が出来るのでOLPCでも有効だったりするのではないでしょうか。
また、日本のようにPCが十分普及している国ならプライベートコンピュータはiPadのようなスレートPCでいけるはず。軽いし、なにより気軽に使える。PCは家庭に一台あって、ホームサーバのように母艦として使えたり、リッチな環境がほしい時だけ使えばいい。今は個人用端末の役割を携帯電話が補ってるけど、こういう教育用端末が全ての子供に配布されればこれが標準になる可能性は高い。
教育ではインタラクティブな想像力をかき立てる仕組みも必要かもしれませんが、教育の仕組みがそれに対応対応できていない現段階では紙を置き換える事だけでも十分ではないでしょうか。手元に図書館や百科事典、参考書の窓口があると考えればその便利さが分かるのではないでしょうか。このあたりが孫さんの光の道構想が時期尚早と判断した理由でもあります。
ちなみにネット接続ではセキュリティと犯罪へのアクセスを危惧されますが、これらの教育用コンピュータのインターネットへのアクセスは、学校等に設置するproxyサーバを経由させる事でセキュリティ対策や犯罪対策もできてしまう。フリーダムな各家庭のPCに頼るより、よほど確かで堅牢な子供を守るシステムになるでしょう。
なので四の五の言わず、教育の現場に情報端末一刻も早く導入してみるべきではないでしょうか。紙を全て置き換えるのではなく、一部の紙の資料を置きかえるだけなのだから書店への打撃も少なくできるはず。というか、この端末の取次を教科書を取り扱う書店に行ってもらえれば、現存の流通システムを守りつつ移行も可能になる。かもしれません。
なお、この教育用コンピュータは十分低コストであり、そしてなにより換金されないようなチープな製品である事も重要です。全ての子供に配布するので、盗難への心配と、心ない親に「換金」されることを防ぐためです。このあたりはSIMロックをうまく活用することで(盗んでも使えないようにする)コントロールできるかもしれません(携帯電話は門外漢なのでビミョーですが)。
今のところ、Kindle DXもしくはASUSのEee Tabletあたりが性能と価格のバランスで最も教育用端末として近い位置にいるように思います。必要なのはリッチな情報ではなく、常に必要な最低限の情報にアクセス出来るかどうか。だから画面はモノクロで良いし、インターネット接続環境も安定さえしていれば最低限の速度で問題無い。
もう少しこの考えを煮詰めてみたいのですが、実行に移す方法についてが悩みどころです。特に既存プレーヤーへの配慮が欠けると、潰されてしまうでしょうから。
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