PS-PLAZA WAKAMATSU(若松商会、トップページに記述あり)
「在庫限り 生産完了です。」
この文字を見たときに、ついにこの時がきたかとガッカリしてしまいました。
IBMからlenovoにパソコン譲渡が譲渡された後、長い間モデルチェンジもされず放置されていたこのキーボードは、次期モデルの噂も聞こえずこのまま廃盤となる可能性の高い製品です。
ちなみにこのキーボード、定価が11235円と(私の使っているキーボードでは)ブッチギリで高価です。無線でもなく、キーが光るでもなく、特殊なギミックも持たないキーボードとしては最も高い部類の製品ではあります。
ではなぜお勧めなのか?それは何といっても最大の特徴であるトラックポイントの存在と、ThinkPadシリーズ譲りのキータッチにあります。
最近はタッチパッドを採用しマウスいらずのキーボードが増えていますが、ThinkPadシリーズやVAIO typePで採用されているトラックポイントを採用しているキーボードはおそらくこの製品しかありません。タッチパッドも備えているためパームレスト(手の平置き)の空間もあり、薄いキーと相まってノートパソコンのように「ペラペラ」とした入力が可能です。
しかし、ただ「ペラペラ」としているだけではありません。通常のノートパソコンと比較して深いストロークはしっかりとした打鍵感を生み出し、ノートパソコンのキーボードを流用したキーストロークの浅いキーボードと比較すると差は歴然です。
機能的には、増設用USBポートを2つ備え、音量調節用の専用ボタン、lenovo製品で専用管理機能を呼び出せ、他社製品ではシステム情報を呼び出せるボタンがある程度で特にこれといった特徴的な機能はありません。
また、トラックポイントを使えるようにするためにはドライバをインストールする必要がありますが、Vistaでは一部機種で不具合が生じる事例が報告されているなど(※1、XPでは問題なし)先に書いたように放置されている印象がこんなところにも現れています。
キータッチはThinkPadシリーズのキーボードを使ったことのある方には特に剛性感の不足から不評を買っています。安っぽいという印象も、この剛性感の不足が招くものでしょう。耐衝撃性に耐える高剛性のボディに直付けされたThinkPadシリーズのキーボードとプラスチック製、かつ角度調整用の足を介しているこのキーボードでは差が生まれるのは仕方ありません。それよりも持ち運ぶ際の重量増を防ぐために、金属のシャーシを使わずプラスチック製としたこともある意味「道具」として割り切られたThinkPadシリーズと通じるものを感じます。もちろん剛性感が足りないわけではなく、他のキーボードと比較しても何ら問題は感じません。
一部のThinkPad使いの高い要求は満たすことはできていませんが、少なくともX61というThinkPad使いの私には、デスクトップで使うキーボードとしてこれほど優れた製品はありません。このタイミングでもう一つ確保するかどうか、悩む日々が続きそうです。
(9/8追記)
何と新モデルが発表されました。
詳しくはこちらのエントリで。→新モデル発表!
※1
特定の環境では本体添付のドライバではトラックポイントとタッチパッドが動かない(私はXP環境で再現)。
レノボのHPから最新のドライバ (http://www-06.ibm.com/jp/domino05/pc/download/download.nsf/jtechinfo/MIGR-66917)をDLしたが現象変わらず。amazonの書き込みより、synaptics社のHP(http://www.synaptics.com/support/drive.cfm)からドライバをDLしたところ解消された。
【関連エントリ】
ThinkPad X61のある生活 まとめエントリ
【関連リンク】
ニッチ過ぎる俺のキーボード選択基準「トラベルキーボード」(スタパ齋藤の「週刊スタパトロニクスmobile」)
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