2013-01-10

【レビュー】富士通 STYLISTIC QH77(Windows 8タブレット)その1

以前レビューした富士通Arrows Tab QH55に引き続き、今回はその兄貴分にあたる富士通 STYLISTIC QH77をレビューしてみます。


この2台のWindows 8タブレットパソコンは、同じQHシリーズでありながら冠しているブランドが異なっています。そしてその違いがキャラクターの違いを表しているのがとても興味深い製品達です。

携帯電話やAndroidタブレットと同じ「Arrows」を冠しているQH55は、非常に軽く持ち運びがしやすい、カジュアルに使える製品のように感じられます、しかしビジネスPC等で使われていた「STYLISTIC」を冠したQH77は、ビジネス用途での使い勝手をよく考えられて作られている全部入りパソコンに仕上がっています。

例えば、個人用途では絶滅寸前のモニタ接続端子であるアナログRGB端子がドッキングステーションを兼ねているキーボード側に配置されています。




高価なプロジェクタはまだまだRGB端子しか備えていないものも多く、また景気の悪化により企業ではRGB端子が使われている初期の液晶モニタも現役で活躍しています。プレゼン時やノートPCスタイルでのセカンドモニタとしての利用ではこの端子の有無で利便性はぐっと異なります。もちろん個人用途でも、古いモニタを生かせるこの端子が必要な方もいるでしょう。

ログイン時の認証に使われる指紋センサーの搭載もそんなビジネス用途を考えられた一つでしょう。



セキュリティーの観点では指紋認証は非常に堅牢な仕組みです。QH77のように持ち運びされることが前提のパソコンでは大きな武器となります。個人用途でもこの仕組みがあれば、紛失時にさまっざまなプライベート情報が漏れにくくなるので安心感があるでしょう。

また、キーボードと画面の間にある緩衝用のゴムも「こんな所まで?」というほど配置されているように感じます。たわみの少ない構造なのにここまで気にしてくれていれば、気兼ねなく合体させたまま持ち歩けます。




ボタンやIFも充実しています。アナログRGBだけではなくHDMIやUSBなど、パソコンとして必要なものは一通り揃ってます。それもタブレット(画面)側にそのほとんどが備わっているので、ちょっとした持ち運びならキーボードドックを持ち歩かなくても問題は感じません。


音量などのダイレクトに操作できるボタンが多いのも、忙しいビジネスシーンだけでなく初心者にも優しい機能だったりします。この辺りはらくらくホンなどを作る、目の付け所が(某社)な富士通らしい点だと思います。



多くの軽量Windows 8タブレットでは省かれているフルサイズのSDカードスロットも、もちろんタブレット側にきっちり備えています。キーボードジャケットが無くても一通りのポート類がタブレット側にあるのは、持ち運び時にキーボードをあまり使わないユーザーに易しい設計だと思います。



ちなみに、QH77には(本当は違うのですが)ストラップホール的な使い方のできる穴までついてます。正確にはスタイラスペンを本体に繋いでおくためのものなんですが、ここにストラップをつけておけば(おそらく強度的に富士通のサポート対象外ですが)ちょっとした安心感が生まれそうです。出来れば公式にサポートできるよう、改良して欲しい点です。難しいとは思いますが。。。



ヒンジはこの通り、本体を持ち上げる格好になります。これにより角度が出来るので、薄いキーボード側と相まって入力はしやすいです。


支えの部分には、やはり緩衝材のゴムがついています。位置的にプラスチックを使うのもありだと思うのですが、ゴムの方が安定度も高まるので個人的には好みです。


ちなみに、最もビジネスPC「らしい」と感じたのがこのキーボードです。「ふわっ」と「カチッ」の中間のようなキータッチは、連続入力でも指への負担が非常に少なく感じました。この辺りはビジネスPCも多く手がけている富士通のノウハウを感じます。仕事する人は大量に入力しますからね。カチッとしたタッチも好きですが、実は長時間入力するのにはこういうタッチの方が疲れないんですよね。この辺りはビジネスモデルも多く手がける富士通らしさを感じました。


キーは小さめですが、アイソレーション型式なので窮屈さは殆ど感じません。レイアウトもそれほど特殊なものはなく、どんな機種から乗り換えても違和感がないでしょう。



キーボード側のバッテリーは着脱可能で、非常に薄いです。


バッテリーライフが公称で10時間強(CPUにより多小差がある)、このバッテリー側で半分ちょっとを受け持っているので、もう一つ予備バッテリーを買えば(さすがに15時間以上働く人は少ない、と考えて)外出続きの方でも一日中パソコンを使えるでしょう。


また、このQH77の特徴にペン入力をサポートしていることが挙げられます。このペンはキーボードドック側に収納が可能です。


欲を言えばタブレット側に収納してほしいところですが、そうすると本体がさらに厚くなったり、ペンが使いづらいほど細くなったりするので難しいところなんですよね。このペンは適度な太さで使いやすさでは全く問題ありません。単6電池1本で駆動するので充電池が使える点も好印象です。(※2013/04/15 コメントで指摘をいただいたので、電池を正しい情報に更新)




ペン先も非常に細く、細かな指定も楽にできます。


Windows 8でもビジネス用アプリはデスクトップモードのものが多いのですが(次期Officeの2013もプレビュー版ではデスクトップモード用アプリ)、それらはマウスの利用を前提としているため指先では難しい細かな指定が必要となります。しかしこのペンならあれば困ることはありません。


少し長くなったので、カメラや剛性感、タブレットモードの使い勝手などは次回のエントリに続きます。

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2 件のコメント:

たぼと さんのコメント...

あのタッチペンの電池は単4じゃないですよ~。僕も並べてみるまで気がつきませんでした。

pc4beginner さんのコメント...

>たぼと様

指摘いただくまで気がつきませんでした。
お詫びすると共に記事を修正させていただきます。ありがとうございました。