今回はこの両機を比較しながらその点について書いてみようと思います。
まず、一番感じたのはWindows 8タブレットを実現するにあたり、CPUやメモリ、SSDなどのハードウェア側の進化がまだまだ必要だと言うことです。
たとえばCPU。ARROWS Tab Wi-Fi WQ1/Jに採用されたCPU、Atom Z2760は省電力性に優れた素晴らしいCPUですが、メモリの上限の制約(2Gまで)や絶対周波数の不足など物足りない点があります。
また、STYLISTIC WQ2/Jに採用されたCPUのノートPC用Core iシリーズは、歴代のIntel製CPUの中では最も消費電力が抑えられつつ、かつターボブースト機能によって瞬間最大周波数を上げるなど、性能的にも優れた製品です。
しかしとにかく軽量化を求められるタブレットではまだまだ消費電力のダイエットが必要で、その結果タブレット側の重量が約850gとやや重めになってしまっています。
また、パソコンとタブレットの何れにも対応できるWindows 8というOSの立ち位置も実は難しいと感じました。
ARROWS Tab Wi-Fi WQ1/Jはタブレットとしての完成度がとにかく高く、個人的にはWindows 8タブレットの中でベストバイの一台に挙げられます。しかしフルサイズのWindowsが動かせるため、どうしてもマウスとキーボードが欲しくなる瞬間が出てきます。
それに対し、キーボードドックを備えたSTYLISTIC WQ2/Jはノートパソコンとしての完成度も非常に高く、どちらかというとタブレットモードではなドッキングさせた状態で持ち歩きたくなる製品です。しかしその状態ではタブレットが提供する「軽快さ」がどうしても今一歩となるように感じました。
つまり、富士通はWindows 8タブレットについてそんな状況を踏まえ、「タブレット側」と「ノートパソコン側」のそれぞれの回答として用意した、と考えています(これは私の個人的な意見です)。
長い時間ノートパソコンとして使う方なら、お奨めは間違いなくSTYLISTIC WQ2/Jです。ノートパソコンとしての完成度は高く(特にキーボード)、USBやHDMIなど各種端子も不足無く用意されているので不満は全く感じません。タブレット側だけ持ち運べばどんなノートパソコンよりも軽く、簡単な入力はソフトウェアキーボードで済ますことが出来ます。
それに対して、web閲覧などをメインにしているライトユーザーなら、とにかく軽量で長時間駆動のARROWS Tab Wi-Fi WQ1/Jがお奨めです。動画編集などの絶対的な性能を求める作業は厳しいですが、私がパソコンを利用する中でそのような絶対性能を求める時間はほんの僅かです。むしろどこにでも運べる気軽さの方が大きなメリットになります。
これはどちらも不足している、という話ではありません。それぞれが性能的な長所を生かした製品となっていて、富士通から自分の使い方に合わせて選んでみませんか?という提案なのだと思います。超小型モバイルを長年作って来た富士通らしい「実直」な提案だと思います。
絶対性能ではなく、それぞれに込められた使い勝手を検討する。そんな選び方をすれば、殆どのユーザーはこの2台をじっくり検討することで自分にあったWindows 8用タブレットを選ぶことが出来ると思います。
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