2014-01-29

【レビュー】PENTAX K-3 究極のフィールドカメラとはよく言ったもので。

PENTAX K-3のレビューが延び延びとなっていたので、踏ん張ってまとめます。


なお、私のカメラスキルは入門機を乗り継いだホビーユーザーなので、正直写りまで言及できていないと思います。それを踏まえて読んでいただければと思います。

このカメラを一言でいうと、「アウトドアに持ち出したい上級機」です。
それはPENTAXのレンズシステムまで含めての評価です。

アウトドアでこそこのカメラは活きるはず。

私はNikon D50>D5100>D5300と乗り継いでいる、コテコテのNikon入門機ユーザーです。
Nikon D90とIOS Kiss X3は2週間程度レビュー目的で借りたことはありますが、手が憶えている操作体系はNikonの入門機のそれです。

なのでモードダイヤルの体系からして頭を悩ませてしまいました。

PENTAX・CanonとNikon・SONYでモード名称が異なる

デジカメ中級機~高級機にありがちなことですが、設定がバチッと決まらないときれいな画像を吐き出してくれません。なので試用期間、ほぼオートでの利用で時間がかけられるときだけ露出優先モードを使いました。

18-135キットレンズを使用していたためか、正直写りについてはそこまでの差を感じませんでした。
良く映ります。映像も素晴らしい。

しかしこのカメラの神髄は、その筐体に備わっています。
この性能では、軽く、小さく、取り回ししやすい。

まずグリップ。

試作を重ねたというグリップのモック。

モックで何度も試作を重ねたというだけあって、関西旅行に持ち出して撮影を重ねていくごとに右手に馴染んでいくのがわかりました。正直、女性には大きいです。私も男性としては手が小さいのでやや持て余します。

しかし特徴的な中指部分の凹みが、グリップの形状を覚え始めた手に不思議なほど馴染むのです。なので滑らない。構えるために持ち上げても掌の中で動かない。握力も使わない。

これ、街歩きやフィールドワークで撮影するのにどれだけ有効かお分かりいただけるでしょうか。

また、これはカメラのメンテナンスに携わる知り合いに聞いたのですが「砂埃舞うところで使うのなら、迷わずPENTAXを薦める」と聞いたことがあります。いわく、本体の防塵はともかくレンズの防塵で最も信頼できるのはPENTAXなのだと。

雨の日にカメラを持ち歩く人は、そうそういないでしょう。
しかし、風の強い日は?

ズームレンズはズームさせる度、外の空気を吸い込みます。そんな時、PENTAXのレンズなら安心できるのだと。

カメラを選ぶとき、本体の防塵防滴性能には注意してもレンズの防塵防滴性能まではあまり考えないでしょう。そんなレンズシステムを持つK-3だからこそ、防塵防滴という性能が生きてきます。

さらにボディ内手振れ補正により、レンズは比較的軽く、小さく作られています。なのでキットレンズまで含めての体感総重量はそれほど重くありません。

そのボディに詰め込まれたペンタプリズムの明るく大きなファインダーと妥協の少ないAF。うまく撮影できた時はシャッターを切った瞬間にこれは決まった!とわかります。

ただし、良くも悪くもシビアです。

妥協のないAFは、条件が悪いと悩む傾向があります。
中~上級機によくあるように、デフォルトでのオート設定は初心者が好むような鮮やかなものではありません。見たままに写ります。
マニュアルで設定を始めると、オートやプリセット設定が少ないのでカメラとある一定期間付き合わないと望んだとおりの色が出てきません。私は3週間程度使用しましたが、操作体系の違いもあってこれは最後まで御しきれませんでした。しかし、決まると素晴らしい。

と、ここまで書いてきて購入をおすすめできるターゲットも固まりました。
それは入門機からステップアップをしたいデジイチカメラユーザーです。

私はK-3返却後、所有しているNikon機で積極的に設定をいじるようになりました。
楽しいだけでなく、それによって写真が変わることを学んだからです。
そうやって学んでいくと、「ああ、K-3をこう使えばよかったんだ」とわかってくるのです。
そんなデジイチの面白さを教えてくれるカメラです。ただ、やや敷居は高い。

これからデジイチを買う初心者で、K-3に興味を持っている人はまずK-50をお勧めします。こちらもK-3には及ばないでしょうが防塵防滴構造で、キットレンズも簡易防滴機能があります。



入門機のくせにサブコマンドダイヤルまで備え、かつ視野率100%のペンタプリズムファインダーを備えているK-3の末弟は入門機としてはかなりのオーバースペックです。上級者もお散歩カメラとして納得できる。そして撮影が楽しくなり、写りに満足できなくなってきたらレンズとフラッシュを追加していきましょう。

K-50でやり尽くした時に、このK-3に触れるとその素晴らしさがわかるはずです。

使い慣れた操作体系と構築したレンズシステムとフラッシュはそのまま引き継げます。
他のメーカーと異なり、上位機種のK-3も軽く小さいので2台持ちも必要ありません。
子供撮影用に買うお父さんなら、K-50はお母さん用にしてお父さんはK-3本体を買って使いまわすなんてことも考えられるはず。運動会や遠足など、砂埃が舞う環境はたくさんあります。そんな時にはレンズ交換ができません。お母さんはK-50に軽い標準レンズで、お父さんはK-3に重い中望遠レンズでお子さんを撮影するなんて状況も考えられるのではないでしょうか。

私の義弟がK-30を使っているのですが、ホントに良く撮影に出かけていきます。そんな彼がステップアップを考えるとき、K-3が上位にあるのは羨ましくもあります。

最後に、Nikonユーザーである自分がK-3に乗り換える可能性も考えてみます。

仕事の都合で無茶なアングルの撮影をするため、バリアングル液晶のあるD5300から液晶固定のK-3に買い換えるのは難しいです。しかも今、撮影できる環境は家族との旅行のみなので、撮影時にじっくりと被写体と向き合いたいK-3は難しいかな?と思うのです。

しかし、操作に慣れたら?と考えると話は別です。

私のNikonのレンズは超高倍率ズームのみで済ませているため、金銭的にも乗り換えコストがまだそんなにかかりません。リコーイメージング アンバサダープログラムでは定期的に貸し出しプログラムを提供しているので、もう少し触れて検討してみたい、という状況です。

なんだかレビューではなく購入検討記となってしまいましたが、これでレビューはおしまいです。

※まとめページを作成しました。
【まとめ】PENTAX K-3

【amazonリンク】


PENTAX デジタル一眼レフカメラ K-3 ボディ ブラック ローパスセレクタ 最高約8.3コマ/秒・最大約60コマ高速ドライブ -3EV低輝度対応 15532
ペンタックス (2013-11-01)
売り上げランキング: 10,487



0 件のコメント: